Cumin Seed(スパイス事典)
世界でも代表的なスパイスの一つです。
カレー粉やチリパウダーに欠かせないスパイスで、
アフリカ、中近東、中南米、アジアなど世界各地で、
肉や野菜料理、煮物、炒め物、パン、チーズなどに
幅広く用いられています。
インドのカレーやアフリカのクスクス、
アメリカのチリコンカンなどにも使われています。
歴史
元々はナイル川の渓谷に自生しており、
古代エジプト時代には
王侯貴族を死後ミイラ化して保存するために、
防腐剤として「アニス」や「シナモン」など、
他のスパイスと一緒に用いられていました。
このように、エジプトや西アジアでは古くから栽培されていたため、
この地方の料理に多用されています。
中世のヨーロッパでは、
クミンは恋人の心変わりを防ぐものと信じられ、
結婚式で新郎新婦がポケットの中にクミンを忍ばせて出席したり、
騎士が戦地に向かう際に、浮気を防ぐお守りとして、
妻が騎士である夫に持たせていたという記録も残っています。
スパイスの特徴
香り・風味の特徴
少々きつく強い香りで、
わずかな苦味と香ばしい深い味わいがあります。
カレー独特の風味を出すのに不可欠です。
個性の強い料理の風味絵受けに使われています。
光毒性があるため、保存の際は密閉容器に入れて、
直射日光の当たらない場所で保管して下さい。
健康効果
クミンには、ビタミンA・B2・B3・C・Eや
カリウム・リン・鉄分・マグネシウムなどのミネラル類が
豊富に含まれています。
抗酸化成分であるクミンアルデヒドやリモネンも含まれているため、
アンチエイジング(老化防止)や免疫力の改善にも
効果があると考えられています。
また、クミンに含まれるカリウムには、
摂り過ぎた塩分を体外へ排泄し、
体内の水分バランスを調整する働きがあるため、
高血圧の予防・むくみの解消にも繋がると言われてます。
アーユルヴェーダでは、下痢やお腹の張り、消化不良などに
良いとされています。
DATA
美味しい利用方法
相性の良い食材・料理
インド料理では温めた油に最初に香りを移す
「スタータースパイス」のひとつです。
熱した油でホールを炒めて香りを移して使います。
カレーパウダーの主原料で、
「クミン」が入っていないとカレーの味が一変するほど、
重要な存在です。
ホール、パウダー
パウダーはソーセージなどの挽肉料理や、
ピクルス、チャツネ、ミートソースに入れれば、
アクセントにもなります。
ホールをクッキーやパンに入れて焼くと、
スパイシーな仕上がりになります。
ホール
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パウダー
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表面に細い筋があり、
「キャラウエイシード」に
似ているが、やや長くて細め。
風味は全く異なります。
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「カレーパウダー」や
「チリパウダー」などの
ミックススパイスに欠かせない。
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ミックススパイス
アメリカのケイジャン料理に欠かせない
メキシコの「チリパウダー」などにも利用されています。
カレーパウダー |
ガラムマサラ |
チャットマサラ |
パンチフォロン |
ダッカ (デュカ) |
ハリッサ |
ラセラヌー |
ケイジャン シーズニング |
BQスパイス (ラブ) |
チリパウダー |
ブラッククミン
クミンシードより小さい黒い粒で、甘い香りが特徴です。
キンポウゲ科の「ニゲラ」という植物の種で、
クミンとは香りも風味も異なります。
インドのミックススパイス「パンチフォロン」などに
含まれています。
日本での取り扱いは非常に少ないため、
希少なスパイスになっています。
古代から高度な民間薬として珍重され、
アレルギー性の皮膚炎には特に効果があるとされる他、
近年の研究では、
抗菌や鎮痛、解熱などに効果があることが認められています。
関連
クミンティー |