日本のハーブ
日本国内で広く見かけるお馴染みの柿は、
古い時代にChinaから持ち込まれ、
奈良時代には既に栽培されていました。
当初は全て「渋柿」でしたが、
鎌倉時代には突然変異で「甘柿」が生まれ、
それ以降、品種も増えたそうです。
名前の由来には諸説あり、実が硬い、あるいは
実が照り輝く様子から
「カタイ」が転じて「カキ」となったというものや、
赤い実の木を意味する「赤木」から、
実の色の「赤黄」に由来するといったものもあります。
日本人にお馴染みの柿は
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど
健康に良い果物です。
「果実」は栄養豊富で、
ビタミンC、β-カロテン、カリウム、食物繊維を含みます。
渋柿の皮を剥いて干して出来た「干し柿」は、
柿を干すことで水分が蒸発するとともに、
沢山含まれていたビタミンCは減ってしまいますが、
その代わりにβカロテンとビタミンAが通常の柿より大幅に増えるため、
食べると血行がよくなり、胃腸も丈夫にしてくれると言われています。
柿の「渋」の正体は、「柿タンニン」という成分で、
強烈な渋みを示すのが特徴です。
タンニンはたんぱく質と反応して、収斂や止瀉といった作用があります。
なお、「柿タンニン」は干したり渋抜き処理をすることで、
溶け出しにくい性質に変わるため、
渋みを感じなくなりますが有効成分は残ります。
「柿の葉」にも、ビタミンCやフラボノイドなど豊富な栄養素が含まれ、
昔から民間の薬として広く親しまれてきました。
殺菌作用があることから、柿の葉寿司などでも知られているように
柿の葉で食品を包むという習慣も昔からありました。
若い葉は、そのままサラダにする、茹でて和え物にする、
天ぷらにする、炒め物にするなど、いろいろな食べ方が楽しめます。
- 学 名:Diospyros kaki
- 科 名:カキノキ科
- 使 用 部 位:渋・葉・蔕(へた)
- 香り・風味:爽やかな風味とほのかな酸味
- 生 薬 名:柿蔕(してい)
- 主 な 成 分:ナフトキノン誘導体、カキサポニン、
タンニン - 主 な 作 用:[果実]疲労回復
[柿渋]皮膚の不調、痔
[葉] 血圧降下
[蔕] しゃっくり、咳、吐き気を止める - 注 意:特に知られていない
<関連事項>
柿の葉茶 |