Sumac(スパイス事典)
「スマック」は、中近東及び北アメリカを原産地とする
ウルシ科の落葉低木の実を乾燥させ、粉状にしたスパイスです。
古代ローマ時代から、
柑橘系の植物が入手出来るようになる前に重宝されていました。
主にシシリー地方、イタリア南部、トルコや中東で栽培されています。
ホールで販売されていることは稀で、
通常はパウダー状で入手することが出来ます。
スパイスの特徴
香りや風味
スマックには香りはあまりありませんが、
レモンやライムのような爽やかな香りとかすかな渋味があります。
味わいは赤紫蘇ふりかけによく似ています。
健康効果
「スマック」は生薬として、
喉の痛みを和らげる、胃腸の調子を整える、利尿作用を促すなど
様々な効能があるとして古くから重宝されてきました。
中近東諸国では、
お腹の具合が悪い時にサワードリンクとして飲まれています。
老化防止や抗炎症作用が高く、
アンチエイジング効果が期待されるスパイスです。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病対策にも効果を発揮します。
葉や樹皮、根の部分は、尿道炎や下痢に効くため、
薬用として利用されています。
データ
美味しい利用法
スマックは、アラブ料理やペルシャ料理に多用され、
レモン汁や酢のように使われているスパイスで、
各家庭に常備されています。
「ザータ」という食卓調味料があり、
オリーブ油を混ぜてパンに塗るなどして食べられています。
スマックを使ったミックススパイス
「ザーター」
スマックに、白ごま、オレガノなどをミックスした
スパイスです。
北アフリカを含む中東料理に欠かせません。
肉のグリルに振ったり、
オリーブ油とともにパンに付けて食べるなど、
手軽に使うことが出来ます。
レバノンには「ファトゥーシュ」と呼ばれる、
グリーンサラダにちぎったピタパンと
スマックドレッシングをかけて食べる人気料理があります。
イランやグルジアでは肉を串焼きにした民族料理
「カバーブ(ケバブ)」にも使われています。
キレイな赤色を活かして、
料理のトッピングやサラダのドレッシングにしたり、
魚や肉にふりかけて使われています。
北アメリカでは、スマックを使った赤いレモネードが人気です。