からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

アサフェティダ(ヒング)

assafoetida(スパイス)

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 インドで一般的なスパイスです。
 ペルシャ語で「樹脂」を意味する「アザ」と、
 ラテン語で「臭い」という意味の「フェティダ」が
 合わさった名前です。
 日本では、「阿魏」(あぎ)とも呼ばれています。
 
 

アサフェイダとは

 
その見た目から「ジャイアントフェンネル」とも呼ばれる
セリ科の二年草です。
原産地は北アフリカで、現在は中近東やインドで盛んに栽培されています。
春になるとフェンネルに似た黄色の花を咲かせますが、
この花が咲く直前から根元から引き抜いて、
滲み出るミルク状の液体を集めて乾かしブロック状にしたものが、
スパイスとして使用されています。
 
仏教には、戒律に基づいて
殺傷や煩悩への刺激を避けることを目的とした
「精進料理」というものがあります。
「精進料理」では、
使ってはいけない食材が大きく分けて2種類あると言います。
1つは、肉、魚介類、卵などの動物性の食材です。
もう1つは、「五葷」(ごくん)と呼ばれるネギ科ネギ属などの野菜。
いわゆる精のつく野菜。
これらの食材のきついニオイも、修行の妨げになります。
アサフェイダもこの「五葷」に含まれています。
 
 

スパイスの特徴

香りの特徴
鼻を突く刺激臭と苦味がある
苦味と辛味が混合している
香りの特徴
 
 時に、悪臭とも言われるほどの強烈な臭いです。
 このニオイの原因物質は「硫化化合物」です。
 
 ところが油で炒めると、
 炒め玉ねぎのような香ばしい風味に変化し、
 カレーを始めとするインド料理に深いコクを与えます。
 
 
効果や薬効
インドの伝統医学アーユルヴェーダで、
古くからヒステリーの改善や神経衰弱の薬として
処方されてきました。
 
この他にも、胃の調子を高める効果や整腸効果、
抗炎症効果や血流を良くする効果などが期待出来るため、
普段から食事の中に取り入れられています。
 
データ
Data
  • 学  名:Ferula assa-foetida L.
  • インド名:hiṅgu(ヒング)
  • 和  名:アギ(阿魏)
  • 別  名:ジャイアントフェンネル、悪魔の糞
  • 科  名:セリ科
  • 原 産 地 :北アフリカ原産
  • 利用部位:根茎
 <主な成分>フェルラ酸、ピネン、バニリン
 <主な作用>健胃、消化促進、駆虫
 <注意点>
  ・高熱、胃酸過多、吹き出物、じんましんといった
   症状がある場合、または妊娠中の使用は避ける
 
 
 

使い方・代表的な料理

 
 野菜のカレー、豆のカレー、
 日本のたこ焼きに似た「パニーアラム」、
 「アチュール」(インド風ピクルス)など
相性の良い食材・料理
 
「アサフェティダ」はインドでは「ヒング」と呼ばれ、
豆やジャガイモなどの料理やスープに欠かせない
一般的なスパイスの1つです。
 
パウダー状のスパイスで、
調理の始めにテンパリングやスターターに使用することが
特徴です。
使用される料理の具体例としては
カレーを始めとして
「サンバル」「サブジ」「ポリヤル」などが挙げられ、
炒め料理から汁物まで多岐に渡り利用されています。
 
この他、ピクルスやグレービーソース、ウスターソースの
原料にもなっています。
 
魚料理は生でも塩漬けでも、
少量使用することで独自の風味がつくと同時に、
魚の味を引き立たせることが出来ます。
 
肉を焼く前にオーブンに少しだけ擦り付けると、
獣臭さがなくなります。