日本のハーブ
アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、
本州、四国、九州で自生しています。
アマチャの原料となる葉を採取する時は、
花を咲かせないように蕾を取ってから、葉を生育させます。
日本では、長野、奈良、青森、富山などで栽培されています。
名前の由来は、葉から甘いお茶が出来ることからですが、
生の葉は苦く、加工調製で発酵させることで、初めて甘味が出ます。
因みに、生の葉に甘味があり、
高麗人参と作用が似ているとブームになった
ウリ科の「アマチャヅル」とは全く異なる植物です。
- アマチャヅル -
古くからお茶として親しまれ、
毎年4月8日の「花祭り」にも用いられる「甘茶」は
このアマチャを煎じたものを指します。
日本特有の薬用甘味料として日本薬局方にも収載されていますが、
Chinaの生薬名はありません。
生薬としては、
丸剤などの矯味(甘味)薬、口腔清涼剤の製造原料として、
粉末またはエキス末として用いられています。
薬理作用としては、エキスで、
抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗菌作用、利胆作用が
報告されています。
民間療法では、糖尿病患者の甘味代用として、
また、お茶として胃弱・食欲不振・利尿・口臭除去に
利用されています。
アマチャにはまた、防虫効果があるとも信じられており、
墨にアマチャを混ぜてすり、
白い紙に虫除けのおまじないを書いて戸口に貼ったり、
室内の柱に逆さに貼るといった
ユニークな虫除けの風習が近年まで全国各地に残っていました。
- 学 名:Hydrangea macrophylla
- 別 名:コアマチャ
- 原 産 地:日本在来
- 科 名:アジサイ科(ユキノシタ科)
- 使 用 部 位:枝先、葉
- 香り・風味:発酵させた葉に甘味がある
- 生 薬 名:甘茶
- 主 な 成 分:フィロズロチン、ケンフェロール、
クエルセチン、リチン - 主 な 作 用:矯味、口内清涼
- 注 意:濃過ぎると中毒を起こす可能性がある