からだに優しいもの

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フェンネル

Fennel(ハーブ事典)

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黄緑色の茎が枯れているように見えることから、
「枯草」という意味のラテン語「フェヌム」に由来する
「フェンネル」は、
甘い香りと仄かな苦味を持つハーブです。
 
すっくと立つ茎の先端に黄色の小花を傘のように広げる姿は、
同じセリ科の「ディル」とよく似ていますが、
より大型の多年草で草丈が2mにもなります。
似た香りをもつ「スターアニス」(八角、大茴香)との比較で、
「小茴香」(ショウウイキョウ)と呼ばれることもあります。
葉には甘い風味があり、害虫を退治する益虫を引き寄せます。
 
「フェンネル」は、歴史上最古の作物の一つと言われており、
古代ギリシャ・ローマ時代から
食用や薬用に広く利用されてきました。
特に盛んに活用されるようになったのは、中世以降。
種子を薬用や入浴剤に用いた他、
邪気を取り払う力があるとして、呪術にも利用していたそうです。
 
日本には、平安時代にChinaから伝来しました。
完熟寸前の種子を収穫して乾燥させた
「フェンネルシード」は、
生薬では「茴香」(ういきょう)と呼び、
江戸時代には胃腸薬として服用されました。
現在でも胃腸の働きを整える漢方薬に使われています。
 
 

料理

 
「フェンネル」の若葉や種子は風味が強く、
消化促進や消臭に効果があります。
そのため、魚の臭み消しや、酒類の香りづけなどに
用いられています。
 

魚料理に合うハーブとして有名で、種子も葉も、
魚料理用のソースを始め、
生魚や塩漬け魚の臭み消しなどに使われます。
その他、葉はビネガーやオイルの香りづけに、
若葉はサラダに、
根はスープなどにも利用されます。
 
フェンネルの種類は大きく分けて2種類。
種類毎に葉や茎の色・形状が異なり、
料理や観賞用など、用途毎に使い分けられます。
 
 
ブロンズフェンネル
 
その名の通り、葉がブロンズの色をしている、
寒さに比較的強いフェンネルです。
他のフェンネルと同様に甘い香りがありますが、
その色味から観賞用として利用されることも多い品種です。
白ワインビネガーなどに漬け込むと
ルビー色のハーブビネガーが出来るため、
料理やお茶の他、染色などにも利用されます。
 
 
フローレンスフェンネル
 
別名「スイートフェンネル」とも呼ばれるこの品種は、
株元が肥大する野菜「フィノッチオ(イタリア語)」としても
知られています。
生でも加熱しても美味しく食べられる、セロリのような野菜です。
煮込んでシチューにしたり、葉をサラダやマリネに使用します。
葉を細かく切ってお茶にしたものは
老廃物を排出し食欲を抑える働きがあります。
 
 
 フェンネルのデータ 
  • 学  名:Foeniculum vulgare
  • 和  名:茴香(ういきょう)、小茴香(しょうういきょう)
  • 別  名:フヌイユ、フィノッキオ
  • 科  名:セリ科
  • 使用部位:葉、株元
  • 用  途:料理、お茶、美容健康 など
  • 効  能:利尿、強壮、鎮痛、発汗、消化促進、消臭、
         去痰、腸内ガスの排出、母乳の分泌促進 など
  • 原 産 地 :地中海沿岸
 

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