からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

ディル

Dill(ハーブ事典)

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古代から使われている、痛みを和らげてくれるハーブ

 
 
優れた鎮静作用や安眠効果で知られる「ディル」は、
古代ノルウェー語の「なだめる」ことを意味する言葉に由来して
名付けられました。
日本ではあまり一般的ではないものの、
欧米では非常にポピュラーなハーブとして盛んに栽培されています。
 
黄色い小花を密集して咲かせることから
別名「イエローレースフラワー」と呼ばれ、
アレンジメントにも使われています。
 
 

ディルとは

古代エジプトでは、
既に医師が重要な治療や卯として利用していました。
また、エジプトと並ぶ古代文明を誇った
メソポタミア(現イラン・イラク)地方から、
紀元前3000年頃のものと思われるスメル粘土刻板が発掘され、
そこには、当時スメル人が薬用にしていた
香料植物・約200種が刻まれていましたが、
その植物リストの中に、「ディル」の名前がありました。
 
『新約聖書』には、
税金の代用になるほど珍重されていることが記されている他、
中世ヨーロッパでは、
魔除けや呪いの材料としても使われていたそうです。
 

ハーブの特徴

 
風味や香りの特徴
キャラウェイに似た香りで、
辛くてピリッと鋭い味 
 
 
葉や茎にはすっきりとした爽やかな芳香があり、
噛むとほんのりと甘みを感じます。
 
健康効果
ディルの香りには、リモネンやカルボンが含まれ、
神経を落ち着かせたり、
消化器系の働きを整える作用があると言われています。
西洋では昔、赤ちゃんの夜泣きやしゃっくりを止めるために
使ったそうです。
 
「ディル」にまた胃腸の働きを助ける効能があり、
胃もたれの解消や消化を促進し、
また下痢や便秘の解消に役立つと言われています。
東洋では、種子は「蒔蘿子」(じらこ)とも呼ばれ、
漢方薬として食欲不振や嘔吐・下痢・腹痛などの症状に用いられています。
更に、駆風作用があり、体内のガスを排出するお手伝いもしてくれる、
まさにデトックスハーブです。
 
 ディルのデータ 
  • 学  名:Anethum graveolens
  • 和  名:いのんど、蒔蘿(じいら)  
  • 科  名:セリ科
  • 原産地:西南アジア、中央アジア
  • 使用部位:葉、花、茎、種子
  • 用  途:料理、お茶、美容健康など
 <主な成分>
   リモネン、d-カルボン、ピネン、カンファー
 <主な作用>
  ・鎮静、駆風、利尿、消化器官機能改善。
  ・母乳の分泌促進など 
 
 

美味しい利用法

葉は薄く、先の方は細かく分かれています。香りを楽しむため、小さくちぎって使うことが多いです。甘みのある爽やかな香りのハーブです。
清涼感のある芳香は魚との相性が良く、
「魚のハーブ」と呼ばれ、
スモークサーモンやニシンとの相性は抜群です。
北欧では魚の腹に入れて、
蒸したり焼いたりして食べることが多いそうです。
 
スープやシチュー、ケーキやペストリート幅広く用いられています。
細かく刻んでクリームチーズにも。
ディルの花を漬け込んだキュウリのピクルスは「ディルピクルス」と呼ばれています。薄い茶色で、米粒よりもやや小さく、クミンシードやキャラウェイシードと同じくらいの大きさです。