Sesame Seed(スパイス事典)
紀元前1600年頃には胡麻の生産の記録があり、
油を採取するために育てられた最古の植物と言われています。
熱を加えても風味が飛ばない不揮発性の油を約50%含み、
大半が搾油のために栽培されています。
揮発性の精油をほとんど含まないため、
加熱によって初めて香りが生まれます。
栄養価の高さは古来より評価されており、
古代エジプトでは病気の治療や予防に用いられ、
兵士の体力維持にも一役買ったと言われています。
古代バビロンの女性達は若さや美しさのため、
ハチミツとセサミシードを合わせたものを食したとされています。
胡麻の成分は50%が油分、20%がタンパク質、
残りの30%がビタミン類・ミネラル・食物繊維です。
その胡麻のパワーを効果的に取り入れたいなら、
炒ってから軽く擦り、固い殻を潰して取るようにして下さい。
面倒な場合は、市販のすりごまや練りごまを使うと、
粒の中に詰まった油や栄養素を効率よく摂取出来ます。
- 学 名:Sesamum indicum
- 英 名:セサミ
- 科 名:ゴマ科
- 使用部位:種子、種子油、根
- 原 産 地 :インド、エジプト
- 作 用:滋養強壮、解毒、緩下、抗炎症
胡麻の種類は、種子の外皮の色によって、
白・黒・金の大きく3種類に分けられます。
白・黒・金で若干含まれる量の違いはあっても
栄養成分はほとんど同じです。
白ゴマ
世界各地で生産されています。
最もポピュラーな品種で、風味は淡白でどんな料理にも相性が良いです。
「白ゴマ」と「黒ゴマ」を比べると脂質が若干多く、
ゴマ油の原料としても使われています。
日本での生産量も白ゴマが1位。西日本では白ゴマが好まれています。
黒ゴマ
白ゴマのように世界中で生産されている訳ではなく、
Chinaや東南アジアが主な産地です。
独特の風味があり、
しつこい料理に使うと味が締まるという特性があります。
北陸地方や東北地方では好んで利用されているようです。
黒い皮には「アントシアニン」や「鉄分」が含まれています。
見た目のアクセントにもなり、
赤飯やおはぎ、ゴマ和えなどに広く使われます。
「セサミン」が豊富で抗酸化作用が強いため、老化防止や肝機能の改善、
悪玉コレステロールを低下させ動脈硬化を防ぐなどの効果が期待出来ます。
すりゴマにすると、硬い皮が破れて、栄養吸収率を高めることが出来ます。
脂質には、不飽和脂肪酸の「リノール酸」と「オレイン酸」が含まれています。
金ゴマ
「黄ゴマ」「茶ゴマ」などと呼ばれることもあります。
白や黒と比べると脂質が高く、コクのある味わいです。
香りが抜きん出て高く、その分、値段も高価。
懐石料理などで使われることが多いです。
トルコ産が有名ですが、近年では日本国内での栽培も増えてきています。
種皮には、抗菌作用がある「フラボノイド」が含まれています。