からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

エゴマ(荏胡麻)

日本のハーブ

f:id:linderabella:20201029124125j:plain

 
「エゴマ(荏胡麻)」は「大葉(青紫蘇)」などと同じ
シソ科の一年草で、東南アジア原産が原産とされています。
日本では種から油を取るために古くから栽培されてきたようで、
種は縄文時代の遺跡からも出てきています。
 
日本では、荏胡麻(えごま)は別名「ジュウネン」とも呼ばれます。
それは食べると10年長生きするとの言い伝えからです。
近年、エゴマ油には「αリノレン酸」が多く含まれることから、
生活習慣病の予防やアレルギーの予防に良いとして注目を浴びています。
 
 

荏胡麻の歴史

 
エゴマの歴史は古く、
日本では縄文時代から食べられてきたと言われており、
日本最古の作物のひとつとして、
日本の農耕文化に歴史を刻んでいます。
長野県諏訪市にある荒神山遺跡からは、
エゴマの種子の塊が出土されています。
 

 
エゴマの搾油が始まったのは、平安時代初期。
食用の他にも油紙や提灯などに
塗布油として用いられてきました。
灯火以外にも、和紙に防水のためにエゴマ油を塗付し、
雨傘や雨合羽などの雨具に活用されていました。
 
江戸時代に「菜種油」が全国的に広がったために、
エゴマを生産する農家が減少しましたが、
江戸時代後期までの約800年間は、
エゴマ油が広く用いられました。
 
その後、非常に安価なエゴマが海外から輸入されるようになると、
栽培者が急激に減少し、
自家用での栽培が各地に残るのみになっていました。
 
 

荏胡麻油

 
エゴマの種子から得られる油は
「エゴマ油」「ペリーラオイル」「エノ油」などの名称で
呼ばれています。
近年、現代人に不足しがちな「α-リノレン酸」が
豊富に含まれていることが話題になり、知名度が高まりました。
 
 
エゴマ油に含まれる「α-リノレン」酸は、
スムーズな血液の循環に働きかける
「エイコサペンタエン酸(EPA)」や
健やかな脳神経の働きをサポートする
「ドコサヘキサエン酸(DHA)」に
体内で変化し、
動脈硬化や心筋梗塞などの血管のトラブルを予防します。
 
また「αリノレン酸」は、
体内で「リノール酸」が過剰になることによる疾患を
抑制してくれます。
「リノール酸」は、「n-6系」の必須脂肪酸で、
コレステロールや中性脂肪を一時的に低下させる働きがあるのですが、
「リノール酸」を過剰に摂取すると、
アレルギーを悪化させたり、大腸ガンの危険性を高めるなど、
体に悪影響を及ぼしてしまいます。
そこでエゴマに含まれる「αリノレン酸」を摂ると、
体内で「リノール酸」が過剰になることによる
アレルギー疾患を防ぐことが期待出来ると言われてます。
 
 

荏胡麻の葉

 
エゴマの葉は少しクセがあるため、
同じシソ科の大葉(青紫蘇)や赤紫蘇の
清清しい風味の方が好まれたため、
葉はあまり食用にはされなかったようですが、
カルシウムや鉄といったミネラルが多く含まれ、
更にβ-カロテンやビタミンCも含まれています。
 

荏胡麻のデータ

 
エゴマ(荏胡麻)データ
  • 学  名:Perilla frutescens
  • 別  名:ジュウネン
  • 科  名:シソ科
  • 原 産 地 :東南アジア
  • 使用部位:葉、種子
  • 用  途:料理など
 
 

料理

  • 種子は、和え物や餅、クッキーなど様々な料理に利用されています。
  • 油は、食用油として使われています。
  • 葉は、醤油漬けや味噌漬けなどに食べられています。