日本のハーブ
料理の薬味や梅干しなど、
日常的に目にする日本を代表するハーブの一つ「紫蘇」(しそ)。
品種は大きく分けて、
葉がグリーンの「青ジソ」と紫色の「赤ジソ」に分けられ、
それぞれに葉の表面が平らなものと、
葉の表面が波打つチリメン(縮緬)があります。
日本では縄文時代から利用されてきた「シソ」は、
生命力が強く、こぼれた種子が野生化していることもありますが、
品種や栽培環境によって、香りに大きな違いがあるようです。
漢字では「紫蘇」と書きますが、
これはChina・三国時代に、
食中毒で瀕死の少年にシソを煎じて飲ませたところ
命が蘇ったと言う逸話から「紫蘇」とつけられたと言われています。
爽やかな香りは、
「ペリルアルデヒド」や「α-ピネン」、「リモネン」などで、
抗酸化作用と防腐効果があり、食中毒防止に高い効果があるため、
刺身や寿司などの薬味として利用することが多いのですが、
ビタミンA(カロテン)、B2、カルシウム、マンガンを含み、
葉物野菜の中でも高い栄養価がありますので、
野菜として天ぷらや漬物にして食べるのもおススメです。
また、香り成分にはアンチエイジング効果も期待されています。
芳香性の健胃薬として効果があります。
他にも、発汗や鎮咳作用もあるため、風邪の引き始めにも有効です。
近年では、
赤シソの葉に多く含まれる
「ロズマリン酸」というポリフェノールの一種に、
免疫反応を正常に保って抗アレルギー作用もあるため、
花粉症やアトピー性皮膚炎などの
アレルギー症状を改善する効果が期待出来るとして、
健康食品などにも利用されています。
薬効がより高いとされる「赤シソ」には、
「アントシアニン」という色素が含まれていて、
梅干しの色付けに使われる他、煮出して作る赤しそジュースは、
夏の食欲不振を改善してくれます。
刺身に添えられる「花穂」は
ビタミン類と鉄分が豊富で、防腐作用があります。
- 学 名:Perilla frutescens
- 和 名:ノラエ、イヌエ、チソ、大葉
- 生 薬 名 :紫蘇(しそ)・蘇葉(そよう)
- 科 名:シソ科
- 原 産 地 :ヒマラヤ、ビルマ、China
- 使用部位:枝先、種子、種子油、葉
- 薬 効:発汗、解熱、鎮咳、健胃
シソ油
シソの種子を搾って採れる油で、
必須脂肪酸の「α-リノレン酸」を含み、
アレルギー症状の改善や高血圧の予防効果があると
言われています。
魚に含まれるDHAやEPAとともに
オメガ3(n-3系)不飽和脂肪酸の一つで、
注目の油です。
<関連事項>
シソ茶 |
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