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パプリカ

Paprika(スパイス事典)

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ハンガリーで生まれた鮮やかな赤いスパイス

 
パプリカはナス科に属する熱帯アメリカ原産のスパイスです。
コロンブスが新大陸からヨーロッパへもたらされ、
その後、ハンガリーで品種改良されました。
 
 

パプリカとは

唐辛子の品種改良を重ね、
甘いパプリカが生まれたのは16世紀のハンガリーです。
そのため、「ハンガリアンパプリカ」とも呼びます。
 
赤、オレンジ、黄、緑など様々な色があり、
アメリカでは「ベルペッパー」、
イギリスでは色に合わせて
「イエローペッパー」、「レッドペッパー」など、
野菜としての名称は国によって異なりますが、
主に、赤パプリカの果実から作られるスパイスは統一して
「パプリカ」と呼ばれています。
 
スパイスとしての「パプリカ」は、
種子を取り除いた赤い果実を乾燥させた後、
粉末状にしたものです。
 
「ピーマン」も「パプリカ」も
ナス科トウガラシ属に属する野菜ですが、
それぞれ様々な色や形があるため、混同しがちです。
両者ともにチリペッパーを品種改良したもので、
「パプリカ」は「ピーマン」より大型で肉厚の
「ベル型ピーマン」のことを指します。
「ピーマン」のような苦味や青臭さはなく、甘味があって、
「ビタミンC」や「カロテン」は
「ピーマン」よりも豊富に含まれています。
 
 

スパイスの特徴

香り・風味の特徴

香りの特徴
ほのかな甘酸っぱさと辛味、苦味、
そして独特の風味がある
 
「チリペッパー」にも似た独特の風味を持ちますが、
辛味はありません。
爽やかな香りで、噛むと穏やかな甘さと僅かな苦味があります。
葉にはパセリとディルの中間のような風味があります。
 
野菜売り場でよく目にする肉厚の「パプリカ」と、
スパイスの原料となる「パプリカ」とでは品種が異なり、
スパイスの原料となる「パプリカ」は
果肉が薄くて鮮やかに赤く色づき、乾燥しやすい品種の物です。
パプリカの赤色は「カロチノイド」という油に溶けやすい色素で、
調理しても赤みを保つため、
料理を彩る着色香辛料として利用されています。
一般にスペイン産は色が濃く、
ハンガリー産は香りが良いとされています。
 

健康効果

パプリカは、「ビタミンC」と「ビタミンE」の含有量が高く、
取り分け赤パプリカの含有量は、野菜の中でもトップクラスです。
美肌に効果が期待出来るため、女性におススメのスパイスです。
 
ビタミンA・C・Eをバランスよく含み、
これらが互いに働きが強めるため、
ストレス耐性が高まることでも知られています。
疲労回復や夏バテの予防に効果があり、
特に夏の暑い時期に用いると良いと言われています。
 
ハンガリーのスザント・ゲオルギー博士は
大量のビタミンCが含まれていることを発見し、
更にはビタミンCを分離することにも成功した研究で、
1937年にノーベル賞を受賞しています。
 
「パプリカ」には脂溶性ビタミンを多く含まれており、
油と一緒に摂ることで吸収率がアップしますので、
火を通す調理方法がおススメです。
 
また、フラボノイドやカロテノイドなどの成分を
多く含んでいるため、
美容効果の高い野菜としても注目を集めています。
 
 
データ
Data
  • 学 名:Capsicum annuum
  • 別 名:ハンガリアンペッパー、
        スパニッシュペッパー、ピメントン、
        甘唐辛子
  • 科 名:ナス科
  • 原産地:熱帯アメリカ
  • 利用部位:果実(種子を除いた果肉部)
<効能>
  疲労回復、老化防止、美肌、食欲増進、
  血行促進、動脈硬化予防、抗ガン  など
 
 

美味しい利用方法

「パプリカ」とは、ハンガリー語で「ペッパー」を意味します。
主にトマト煮込み料理や色づけしたい時に使います。
卵料理、ジャガイモ料理、チーズ料理など淡色の料理や
ソース、ドレッシングに使って彩りをよくします。
クッキーなど、お菓子の生地に加えることもあります。
加熱しても色鮮やかなので、見た目にも元気をくれます。
 
「グーラッシュ」を作る⁉

 
ハンガリーには、パプリカを使った
「ハンガリアングーラッシュ」という煮込み料理があります。
ハンガリーで放牧や農作業をしていた人々が、
昼食用として外に竈を作り、大鍋で煮込んだものが起源とされ、
具や味付けも様々なタイプがあります。
 
<材料>
  • 牛肉(角切り)  :600g
  • パプリカ     :2個
  • オニオン     :1 1/2個
  • ガーリック    :1片
  • トマトペースト  :大さじ1
  • ラード      :50g
  • パプリカパウダー :大さじ1
  • キャラウェイシード:大さじ1/2
  • ドライマジョラム :小さじ1/2
  • ブラックペッパー :小さじ1/4
  • ローリエ     :1枚
  • 塩        :小さじ1
  • 水        :175㎖
  • パセリ      :適量
 
<作り方>
1.オニオンとガーリックは皮を剝き、みじん切りにしておきます。
  パプリカはヘタと種を取り、一口大に切っておきます。
 
2.厚手の鍋にラード(サラダ油でも可)を熱し、
  オニオンを入れてキツネ色になるまで炒めたら、
  鍋を火からおろします。
 
3.鍋に牛肉、パプリカパウダー、
  塩少々、ブラックペッパーを加えて混ぜ合わせた後、
  再び火にかけます。
  肉に火が通り、全体に焼き色がつくまで炒めたら、
  パプリカを加えて更に炒めます。
 
4.水、ガーリック、キャラウェイシード、マジョラム、
  トマトペースト、ローリエ、残りの塩を加えて煮立てます。
 
  灰汁が出たら取り除き、蓋をして
  肉が柔らかくなるまで約1時間煮込みます。
  この間、水分が少なくなったら足しておきます。
 
5.最後に塩と分量外のブラックペッパーで味を調えて、
  器に盛り、パセリをトッピングして、完成!