Namphrik（ミックススパイス）
クセになる辛さが特徴のタイ伝統の万能ディップ
タイの家庭に昔から伝わる「ナムプリック」は、
チリペッパー、小さな紫玉葱の「ホムデン」、ガーリック、
シュリンプペースト一種「カペ」といった個性の強い素材を、
「クロックヒン」という伝統的な石のすり鉢ですり潰し、
ペースト状にしたミックススパイスです。
そのままご飯に載せたり、生野菜につけたりして食べる他、
汁物や煮込み料理などの味付けに用いるなど、
日本の味噌のような使い方をするようです。
地域や家庭によって材料や作り方も異なるため、
様々な種類が存在しますが、
そのままご飯に載せて食べるものと、汁物の調味料として使うもの、
二種類に大別されます。
ナムプリックの種類
ナムプリックには様々な種類があります。
プリックヌム
プリックヌムは一番オーソドックスなナムプリックで、
プリックヌムと呼ばれるタイ北部の青唐辛子を素焼きし、
ホムデン・にんにくと一緒に臼でペースト状にすり潰し、
砂糖・レモン汁・ナンプラーでシンプルに味付けした料理です。
ナムプリックオーン
ナムプリックに、プチトマトや挽肉を加えたディップです。
ミートソースと少し似ています。
辛くないので、辛いのが苦手な方でも美味しくいただけます。
ナムプリックプラートゥー
ナムプリックに「プラートゥー」という魚の解したものを加えた
ディップです。
「プラートゥー」は、
日本では「グルクマ」と呼ばれているサバ科に属する魚です。
ナムプリックプー
ナムプリックに唐辛子と「田蟹（プー）」のペーストを加えたディップです。
「ディップ」と言っても、潰していない蟹の身がごろごろ入っています。
田蟹ペーストが入っているので少しクセがあります。
ナムプリックカー
ナンキョウ・一味唐辛子・香草を混ぜ合わせたもので、
ディップではなく、乾燥した状態の調味料です。
味はピリッとしていて漢方薬のような独特の風味があります。
「ナンキョウ」とは、ショウガ科の植物で
英語では「ガランガル（galangal）」と呼ばれています。
ナムプリックプラーラ
ナムプリックに魚を米糠で醗酵させた、
日本のくさやに似た独特の臭いがする
「プラーラ」という調味料を加えたディップです。
ナムプリックターデーン
鷹の爪の辛さと「カビ」（シュリンプペースト）の旨味が
絶妙にマッチした、美味しいディップ。
塩辛過ぎるため、高血圧の方には要注意かも。
ナムプリックパオ
チリペッパー、干しエビ、オニオン、ガーリックなどを油で炒め、
砂糖や塩を混ぜた辛みのあるペーストです。
ナムプリックを作る
＜材料＞
・ガーリック（皮付き）：５片
・チリペッパー ：５本
・ホムデン（紫玉葱） ：５個
・シュリンプペースト ：大さじ２
・三温糖 ：大さじ１
・タマリンドペースト ：5g
・ピーナッツ ：大さじ2
＜作り方＞
１．フライパンにガーリックとホムデンを入れ、
中が柔らかくなるまで乾煎りします。
２．チリペッパーとシュリンプペーストをアルミホイルに包み、
同じフライパンでシュリンプペーストの色が黒くなり、
チリペッパーが柔らかくなるまで乾煎りします。
３．ガーリックとホムデンの皮を剝き、
チリペッパーの種を取り細かく刻みます。
４．全ての材料をすり鉢に入れ、ペースト状になるまで練ります。
５．密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、
約１週間で使い切りましょう。
「トムヤムクン」を作ってみる⁉
＜材料＞
・鶏がらスープ ：４００㎖
・こぶみかん ：３枚
・ナムプリック・パオ ：大さじ１
・ココナッツミルク ：大さじ１
・ふくろう茸 ：大さじ１
・ガランガルスライス ：３枚
・レモン汁 ：大さじ2
・牛乳 ：200㎖
・塩 ：大さじ１/２
・エビ ：６尾
・ナンプラー ：大さじ１/２
・レモンガラス ：１/２本
・プリッキーヌ
（青唐辛子の１種） ：３個
・コリアンダー（葉と根）：適量
＜作り方＞
１．エビを殻と身に分け、背ワタを取り除きます。
コリアンダーの根と
プリッキーヌ（チリペッパーで代用可）を叩いて潰し、
レモングラスは斜めに、ふくろ茸は半分に切ります。
２．鍋に鶏がらスープ入れて中火にかけ、
ナンプラー、ナムプリック・パオ、ココナッツミルク、
塩を加えます。
３．沸騰したらガランガルスライス（ジンジャーで代用可）、
ふくろう茸、コリアンダーの根、プリッキーヌ、レモングラス、
牛乳、エビの殻、こぶミカンの葉を加え、
ひと煮立ちさせます。
４．エビの身を加えて色が赤く変わったら、
レモン汁を加えて、更にひと煮立ちさせます。
５．エビの殻とこぶミカンの葉を取り出して、器に盛り、
コリアンダーの葉をトッピングしたら、完成！
