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トウキ(当帰)

日本のハーブ事典

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「当帰」(とうき)は、『神農本草経』の「中品」に収録され、以来歴代の本草書に収載されている著名な生薬で、日本でも奈良県を主として、
日本各地の薬園で栽培されてきました。
 
主に「婦人薬」として使用され、
血の道症などに効果があり、
「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)などの
処方が有名です。
 
 
「当帰」は古くから薬用として栽培され、
漢方では、 鎮痛・鎮静・浄血・強壮・
腹痛などに効果があり、婦人病薬の主薬として
処方されてきました。
 
「当帰」は古代Chinaで古くから人気があり、
2000年以上も前から女性の最高の強壮剤として評判でした。
「当帰」という名前は、
昔、婦人病を患ったために夫に去られた女性が
ある薬草を飲むとすっかり治り、更に以前より美しくなったことから、その噂を聞いた夫が
女性のもとへ帰ってきたという出来事に因み、
この薬草を「当てに帰る」で「当帰」(とうき)
呼ぶようになったというストーリーに由来しています。
 
 
これまで「当帰」(トウキ)は、
根が生薬として利用されてきましたが、
それ以外の部分は使われていませんでした。
しかし、平成24(2012)年より、
葉の部分が「非医」扱いとなったことから、
葉の有効利用が注目されるようになり、
ハーブとして活用されています。
 
 
当帰の葉は深い緑色が鮮やかで、
セロリのような香りが特長です。
 
 
一方、「当帰」(とうき)は西洋では
「Angelica」と呼ばれ、
昔から使われていたハーブです。
「Angelica」の語源は「Angel」で、
天使のように婦人の諸病に効く
聖薬という意味の他、
天使のような子宝に恵まれるという
意味もあるそうです。
 
 
「当帰」は、西洋でも東洋でも、
同じ効用を持つとして名付けられ、
用いられてきた薬草なんですね。
 
Data
 ・学 名:Angelica acutiloba
 ・別 名:ヤマトトウキ、 オオブカトウキ
 ・生薬名:トウキ(当帰)
 ・英 名:Japanese Angelica Root
 ・科 名:セリ科
 ・使用部位:乾燥させた根
 
<作用>
 補血・保健強壮・鎮静・鎮痛・貧血・
 月経不順・冷え性・更年期障害などの婦人病