日本のハーブ
「ヨモギ」は、キク科の多年草で、
代表的な春の野草のひとつです。
「ハーブの女王」と称され、
昔から薬草として利用されてきましたが、
近年ではその成分から「美容」や「健康」に
良い効能が注目されています。
ヨモギ(蓬)とは
「ヨモギ」はキク科ヨモギ属の多年草で、
繁殖力が極めて強く、全国各地の野原や
河川の土手などに自生しています。
「草餅」の材料として食用したり、
切り傷・食あたり・下痢止めなどとして
外用・内服してきました。
お灸の「もぐさ」としても有名ですね。
漢方では「艾葉」(がいよう)と呼ばれ、
止血、止瀉薬などとして利用されてきました。
また、7~8世紀に編纂された『万葉集』にも
登場するなど、古くから日本人が親しんできた植物です。
食用
春から初夏にかけての若葉を食用とし、
茹でてから「草餅」や「草団子」に入れて、
美しい緑色と香りをいただいてきました。
そのため、別名「モチグサ」とも言われています。
若葉は茹でて灰汁を抜いてから、
和え物、天ぷらや飯に混ぜてよもぎ飯に
したりしました。
また葉は土瓶で煎じて塩味をつけて
「よもぎ茶」と呼んで飲用します。
ヨモギは、「ハーブの女王」と
称されるほど万能な薬草で、
ホウレン草の約10倍の「食物繊維」の他、
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、
ビタミンC、ビタミンE、葉緑素、
たんぱく質、カルシウム、鉄、
β‐カロテン、葉酸などの健康成分が
バランス良く含まれています。
「葉緑素」は別名「クロロフィル」とも呼ばれコレステロールを吸着して体外に排出し、
血中コレステロール値を下げる働きがあることが知られています。
また「葉緑素」は末梢血管を拡張し、
新陳代謝を高め、造血作用にも役立ちます。
薬用
ヨモギの葉を乾燥させた生薬を
「艾葉」(がいよう)と呼びます。
止血や鎮痛、冷えによる子宮出血、
月経不順、月経痛、痔出血などの治療に
用いられてきました。
民間では生葉を切り傷、打ち身、腹痛、
水虫、たむしなどに外用したり内服します。
お灸に用いられてきた「熟艾」(もぐさ)は、
乾燥した茎葉を臼でよく搗いて、
綿状の塊となったものを篩(ふるい)にかけて
毛だけを分取したものです。
葉を湯船に入れれば、体を温めてくれるなど、
冷えにも良いとされています。
抗菌作用・デトックス効果が高いことから、
アトピー性皮膚炎や、ダイエットにも
効果があると言われています。
また精油成分である
「シネオール」や「α‐ツヨン」が含まれ、
疲労感や緊張の緩和に役立ちます。
関連事項
入浴
ヨモギのチンキを作り、
お湯を張ったバスタブに50㎖程度入れ、
よく混ぜてゆっくり浸かりましょう。
ヨモギでお肌の保湿UP!
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