savory(ハーブ事典)
一年で枯れてしまう一年草のサマー種の「サマー・サボリー」と、
毎年育つ常緑低木のウインター種の「ウインター・サボリー」の2種が、
ハーブとしてよく利用されています。
茎葉にスパイスのようなピリッとした刺激のある味と香りが特徴で、
古代ギリシア・ローマ時代から肉料理や内臓料理の臭み消しとして
スパイスと同じような使い方をしていたそうです。
「セイボリー」には、
消化促進や殺菌作用、収斂作用などがあると言われています。
その他、喘息や気管支炎、口内炎、歯痛などの症状の緩和効果が
確認されています。
また、催淫作用もあるとされ、
かつては"惚れ薬"として用いられていたようです。
🌿 サマー種 (別名:キダチハッカ)
日本には明治時代初期に導入されました。
やや厚みのある灰緑色の葉をもち茎は紫がかった色になります。
あまり目立ちませんが夏に淡いピンク色の花を咲かせます。
ドイツでは「豆のハーブ」とも言われています。
- 学 名:Satureja hortensis
- 別 名:セボリー・サマー、セボリー、
キダチハッカ(木立薄荷) - 利 用 部 位:花、葉、茎
- 香り・風味:タイムに似た清涼感のある香り、
ピリッとした刺激的な苦味 - 主 な 成 分:カルバクロール、γ-テルピネン、
粘液質、タンニン - 主 な 作 用:収斂、去痰、駆風、消化促進
🌿 ウインター種 (別名:ガーデンサボリー)
常緑性の低木で、
花が咲いた後も枯れることなく低木状に育ちます。
日本に渡来したのは「サマー種」より後のようです。
辛み香りともに「サマー種」より強く一年を通して収穫出来ます。
夏に白~薄紫色の花を咲かせます。
肉の臭み消しや、南仏生まれのハーブミックス
「エルブ・ド・プロヴァンス」に利用されます。
サボリー・ローズマリー・タイム・オレガノの
4種の乾燥ハーブを同量混ぜ合わせたハーブミックスです。
魚の煮込み料理などに使うと臭み消しと風味付けになります。
- 学 名:Satureja montana
- 別 名:ウインターセボリー、セボリー、
ヤマキダチハッカ(山木立薄荷) - 利 用 部 位:葉
- 香り・風味:強い香りと辛味がある
- 主 な 成 分:カルバクロール、γ-テルピネン
- 主 な 作 用:去痰、駆風、抗菌、消化促進
- 注 意:妊娠中は避ける。