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キクカ(菊花)

日本のハーブ

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日本各地には多くの品種の野ギクが自生しており、
鎌倉時代からは天皇家の紋として「菊花紋」が利用され、
50円玉や勲章にも菊の花が描かれ、
日本のパスポートの表紙にも「菊花紋」が使われています。
このように日本人にとって馴染みの深い植物として親しまれてきました。
 
「重陽の節句」には、邪気を祓い長寿を願って、
「菊花茶」や「菊花酒」を飲む風習があります。
枕の中に菊花を入れた「菊枕」は、
安眠枕として熟睡出来るとされています。
 
 

歴史

 
日本には奈良時代末期にChina大陸から伝来したと言われており、
平安時代から天皇や貴族などの宮廷を中心に
「薬用」として用いられるようになり、
その後は、一般の人々に
「観賞用」として広く栽培されるようになりました。
江戸時代には観賞用の菊栽培が大流行し、
その中から味と香りの優れたものを選んで、
食用として栽培するようになりました。
 

食用菊

 
日本では菊花はあまりお茶として飲用されることはなく、
主に食用として利用され、
刺身などのつまに使われる「小輪種」と、
大きな花びらのみを食す「大輪種」が
料理を一層鮮やかに美味しそうに見せてくれます。
 
日本の食用菊の出荷数は愛知県が一番多く、
他に山形、福井、青森などでも広く栽培されています。
食用菊の種類が意外と多く20種類以上ありますが、
赤紫色の中輪種である「延命楽」(えんめいらく)
青森県八戸市特産の「阿房宮」(あぼうきゅう) が特に有名です。
「延命楽」は、山形では「もってのほか」、新潟では「かきのもと」など
違った名前で呼ばれています。
 
 

菊花の特徴

風味や香りの特徴

風味や香りの特徴
爽やかな中にツンとしたシャープさがある
 
 
 

キクカの健康効果

キクの生花にはビタミンB1、B2、カリウム、食物繊維が多く、
抗炎症作用のある「ルテオリン」も含みます。
 
漢方の「菊花」は、
キク科の「キク」または「シマカンギク」の頭花を乾燥したもので、
古くから目に良いとされて愛用されてきました。
「解表」、「明目」、「清熱」、「解毒」の効能があり、
頭痛、めまい、目の充血、視力低下、炎症などに用いられています。
 
「菊花」には、
ビタミン・ミネラル類やポリフェノール、フラボノイド類が
豊富に含まれているため、様々な健康効果が期待されます。
 
眼精疲労改善
菊花茶には、目の健康維持に役立つとされる、
ビタミンB1、ビタミンEを始めとした豊富な栄養素に加えて、
目の疲れを癒す消炎などの効能がある
「クサンテノン」と「ビタミンA」が豊富に含まれています。
目のかすみ、疲れ目、目の充血、目のかゆみなどに効果を発揮します。
 
リラックス効果
菊花に含まれる「クサンテノン」という香り成分には、
気持を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。
脳がリラックスすることで、免疫力が高まり、
風邪対策やアンチエイジングにも良い影響を与えます。
 
痛風を予防改善
菊花に含まれているポリフェノールには、
この体内で作られる尿酸の量を減らし、
体外へ排出される尿酸の量を増やすという、
2つの作用があると言われています。
 
老化防止
『神農本草経』に、菊花は「長く飲み続ければ、老化を遅らせる」と
記載されています。
「ビタミンE」やポリフェノールの一種
「クロロゲン酸」や「イソクロロゲン酸」などの
抗酸化作用がある物質の働きにより、活性酸素を防ぎ、老化を防止します。
 
美肌効果
菊花には、ビタミンB1、ビタミンE、アミノ酸などの
肌の健康を保つ栄養素が豊富に含まれているため、
肌を美しくする効果があります。
生体内の有毒物資を解毒する働きのある「グルタチオン」は
美肌にも効果があります。
 
  • 学  名:Chrysanthemum morifolium
  • 別  名:ノギク、ショクヨウギク、
    クリサンスマム
  • 科  名:キク科
  • 利用部位:花
  • 原産地 :China、日本、朝鮮半島
  • 用  途:料理、お茶など
 <主な成分>
  ルテオリン、ビタミンB1、B2、カリウム、
  食物繊維
 <主な作用>
  発熱、咳、頭痛、めまい、目の充血、冷え性、
  不眠、高血圧
 <注意>
  キク科アレルギーのある人は利用しない
 
 

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