日本のハーブ
「セリ(芹)」は、セリ科セリ属の湿地性多年草で、
日本全国の山野に自生しています。
水分の多い土壌を好み、沢や河川の水際などに繁殖し、
生えている場所により
「水芹」(みずぜり)、「田芹」(たぜり)、「丘芹」(おかぜり)と
呼ばれています。
「セリ」という名称は、
1箇所で競り合うように生えている若葉の様子に由来しています。
栽培物はパッと見は「ミツバ」と似ていますが、
「ミツバ」が葉が3枚なのに対し、
「セリ」は5枚なので区別しやすいです。
「春の七草」の一つで、
古く奈良時代には既に食用とされていた記録が
『古事記』、『万葉集』に残されています。
平安時代には、宮中行事にも用いられていました。
<春の七草>
- ごぎょう (母子草)
- すずしろ (大根)
- すずな (蕪)
- せり
- なずな (ペンペン草)
- はこべ
- ほとけのざ(小鬼田平子/コオニタビラコ)
セリは爽やかな香りと歯触り、綺麗な緑が持ち味です。
加熱する場合は火を通し過ぎないように気を付けましょう。
天然のセリはアクが強いので、
下茹でした後しばらく水にさらしておく方が良いです。
(栽培物はそれほどアクは強くありません)
セリは、お浸しや和え物、天ぷら、汁物など
風味を生かした様々な料理がありますが、
肉の臭みを消す効果があるので、
鴨鍋や牡丹鍋など肉を使った鍋、きりたんぽ鍋にも
欠かせない食材となっています。
仙台のセリ鍋も人気があります。
因みに、西洋では食べる習慣はありません。
葉は薄緑色で葉、質は柔らかく独特の匂いがあります。
この独特の芳香には「オイゲノ―ル」などの成分が含まれ、
鎮静効果があるとされています。
また、「ピラジン」と呼ばれる成分が
血液凝固を防ぎ血栓を予防したり、
肝機能を強化するのに役立つとされています。
セリには、身体に欠かせない「ビタミンC」や
「鉄分」や「カルシウム」などのミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンCは免疫力を高めるとともに、
活性酸素の働きを抑え、老化防止やお肌の潤いを保つ効果もあります。
セリの茎や葉を乾燥させたものを、
生薬で「水芹」(すいきん)と言います。
水芹を煎じて服用することで、
食欲増進の他、解熱や神経痛、リューマチ、黄疸(おうだん)などに
効果があるとされています。
- 学 名:Oenanthe javanica
- 別 名:セリ、シロネグサ
- 科 名:セリ科
- 使用部位:葉・茎・根
- 原 産 地 :日本
- 薬 効:解熱、食欲増進、緩下、冷え性改善