chaste tree(ハーブ事典)
薄紫の穂状の花を咲かせる優美な姿の「チェストツリー」は
地中海沿岸の原産で、
今日では世界各地で栽培されています。
学名の”Vitex”は
ラテン語で「結ぶ」を意味する”vieo”から来ており、
この植物の枝でカゴを編んだことに由来すると言われています。
和名の「セイヨウニンジンボク」は、
その原産が西洋であり、
葉の形が朝鮮人参に似ていることに由来しています。
チェストツリーの果実は「チェストベリー」として知られており、
ハーブとして用いられる他、
見た目が似ていることから
コショウの代わりとしても使用されていました。
"Chaste Tree"は「処女の木」という意味。
中世には修道士の性欲を抑えるために利用されていたそうで、
”Monk's pepper”「修道士のコショウ」という別名で
呼ばれることもあります。
古くから「女性のためのハーブ」として
婦人科系の疾患に用いられてきました。
化学的には、ホルモン中枢である脳下垂体に直接作用し、
女性ホルモンの分泌を調整する働きがあることが分かっており、
生理痛やPMS(生理前症候群)、更年期障害、
子宮筋腫や子宮内膜症、黄体機能不全による不妊治療にも
適用が試みられているそうです。