からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

ゴボウ(バードック)

日本のハーブ

f:id:linderabella:20201029124125j:plain

 
独特の香りと滋味溢れる素朴な味わいが、
古くから愛されている「ごぼう(牛蒡)」。
長らく、ゴボウを食べるのは
世界でも日本だけと言われてきましたが、
近年では台湾などアジアでも食べられるようになり、
ヨーロッパでの関心も高まっています。

 

 

ゴボウについて

「ゴボウ」の原種はユーラシア大陸の各地で見られ、
日本に入ってきたのは縄文時代という説や平安時代など諸説あります。
 
学名の「Arctium 」は、ギリシャ語のarktos〔熊〕に由来しています。
頭花が熊の毛の様な多数の針状の毛に覆われている事からで、
「lappa」は、ラテン語でlappare「つかむこと」に由来し、
実が動物や衣服につくことから来ています。
 
英名の「バードック(burdock)」は、burが植物の「イガ」のことで、
葉の形がゴボウとギシギシ「dock」が似ていることから来ているようです。
「バードッグ」はけして決して珍しいハーブとは言えませんが、
土壌の違いや栽培変種によって
美味しく食べられるようになった根菜の「ゴボウ(牛蒡)」とは、
含有成分がちょっと違ってくるようです。
 
 

ハーブの特徴

風味や香り
風味や香りの特徴
ゴボウ特有の香ばしい風味
 
 
 
健康効果
ゴボウは食物繊維の宝庫です。
水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいます。
水溶性食物繊維の「イヌリン」には、
腸内のビフィズス菌の増加、カルシウムの吸収上昇、
糖の吸収と血糖値の上昇を抑える効果を期待出来ます。
不溶性食物繊維の「リグニン」には、
腸内細菌のバランスを整える働きがあり、
腸内の発ガン性物質を吸着し、大腸ガンの予防効果があると
言われています。
 
また、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分など
各種ミネラルも豊富に含んでいます。
健康の維持や女性に多い貧血、冷え性にもよいとされています。
また、アルギニンとアスパラギン酸の2種類のアミノ酸が
基礎代謝を上げて血流をよくすることから、
肥満や糖尿病を予防するダイエット食材としても脚光を浴びています。
 
漢方では「牛蒡子」と言い扁桃炎や湿疹などに、
ヨーロッパでは血液浄化や利尿、緩下、利胆の目的で使われています。
 
  • 学  名:Arctium lappa
  • 別  名:バードック
  • 生薬名 :牛蒡子(ごぼうし)
  • 科  名:キク科
  • 原産地:ユーラシア大陸
  • 使用 部 分:種子、葉、根
 <主な成分>
  (根) アルクチン、イヌリン、粘液質、
      フィトステロール、ポリアセチレン類
  (種子)パルミチン酸、アルクチゲニン、
      アルクチン
 <主な作用> 造血、解毒、抗菌
 <注意事項> 特になし
 
 

ゴボウ(牛蒡)の品種

 
滝野川ゴボウ

長さ1m前後、直径2〜3㎝程の最も流通量の多い長根ゴボウです。
東京の滝野川地区で江戸時代初期から栽培され始め、
現在も関東地方を中心に生産されています。
日本のゴボウの基本種であり、
一般にゴボウというとこの「滝野川ゴボウ」を指します。
 
堀川ゴボウ

京都の堀川で発見されたゴボウで、
京都の伝統野菜として大切に栽培されています。
斜めに傾けて植える特殊な栽培法で知られ、
収穫に2年以上を要することから希少価値が高く、
お歳暮ギフトや正月料理の高級食材として有名です。
長さ80cm、直径6〜9㎝程の根の中心に、
直径0.5㎝程度の空洞が出来るのが特徴で、
中に詰め物をした射込み煮などに使われます。
 
大浦ゴボウ

直径10cm、重さ4〜5kgほどにもなる、
「堀川ゴボウ」と同じ系統のゴボウです。
「勝つゴボウ」「勝ちゴボウ」とも呼ばれる千葉県の特産品で、
市の文化財に指定されているため、
種は門外不出で一般に出回ることはありません。
収穫したゴボウは成田山新勝寺に奉納され、
精進料理として訪れた人々にふるまわれています。
 
宇陀金(うだきん)ゴボウ

奈良県宇陀市で明治時代から作られている伝統の大和野菜です。
土壌に含まれる雲母が付着して金粉をまぶしたように輝くことから、
「金ゴボウ」と呼ばれ縁起物食材として珍重されてきました。
大きいもので長さ1.3mと、ビール瓶ほどの太さになり、
肉詰め料理やおせち料理に利用されています。
 
新ゴボウ

「夏ゴボウ」の別名をもつ直径1.5㎝程の若取りゴボウで、
宮崎や熊本が主な生産地です。
一般的なゴボウが初冬に最盛期を迎えるのに対して、
新ゴボウは5月頃〜初夏が旬。
食感が柔らかく、上品な香りを生かして、
「柳川鍋」を始めとする料理のニオイ消しに使われます。
 
葉ゴボウ

関西では「若ゴボウ」と呼ばれ、
春を呼ぶ野菜として親しまれています。
長さ15〜20㎝程度の短根種で、
根はもちろん葉柄や葉まで食べられます。
有名どころでは、
大阪八尾の「八尾若ゴボウ」や福井の「越前白茎」があり、
茎の炒め煮や葉っぱの佃煮など、
葉ゴボウならではの料理を楽しめます。