日本のハーブ
ツユクサは早朝に咲き始め、
強い日光に当たると萎れてしまう短命な一日花です。
その儚い様子が朝露に譬えられ、
「露草」(つゆくさ)と名付けられました。
東アジアに広く分布し、
各地の道端や荒れ地などの、やや湿った場所を好み、
一見ひ弱そうですが、引き抜いて放っておくと、
いつの間にか根を出し、容易に生き返る繁殖力の強さがあります。
古くから「ツキクサ」とか「アオハナ」といった名前で
親しまれてきました。
花の下部は半円形をした緑色の苞に覆われており、
この姿から「ボウシバナ」とも呼ばれています。
栽培品種の「オオバナボウシバナ」の花は、
濃い青色の色素が水に浸すと色落ちしやすいことから、
友禅染の下絵用に用いられている他、
古くから花弁の青色色素を使って、布や紙などが染められました。
草の勢いが最も強い花の時期に全草を採取し、
水洗いした後に乾燥させた
生薬の「鴨跖草」(おうせきそう)の煎じ液が
解熱や下痢、喉の痛み、湿疹に用いられます。
- 学 名:Commelina communis
- 別 名:ツキクサ、ホタルグサ
- 生 薬 名 :鴨跖草(おうせきそう)
- 科 名:ツユクサ科
- 原 産 地 :日本
- 使用部分:全草
- 主な成分:コンメリニン
- 主な作用:解熱、止瀉、消炎