からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

クローブ

Clove(スパイス事典)

f:id:linderabella:20200720190227j:plain

臭い消し効果が高く、肉料理によく合う

 
「クローブ」は、香りが最も強まる開花前に花の蕾を採取し、
乾燥をさせたものです。
ヨーロッパでは、ポトフやビーフシチューなどによく使われ、
Chinaやインドでも食用の歴史が長く、
豚の角煮やマトンカレー、ビーフカレーには欠かせません。
 
 

クローブとは

開花前の蕾を乾燥させて使う珍しいスパイスで、
バニラのような甘い芳香は、
数あるスパイスの中で最も強いと言われています。
 
原産はインドネシアのモルッカ諸島で、
China、インド、ヨーロッパでは古くから
口腔清涼剤、胃腸薬などとして重要な役割を果たしてきました。
日本にも古くから渡来したものが、
正倉院の御物に収められています。
 
紀元前のインドでは、
内科や外科の処方に使われていました。
 

名前の由来

釘のように見える姿から、
仏語の「Clou(クロウ=釘)」がその名の由来です。
Chinaでは「丁香」と呼ばれ、これも釘と同じ発音「ヂィン」で、
「丁」という字は釘の形を表すことから、「釘」に因んだ名前です。
 

スパイスの特徴

香り・風味の特徴
香りの特徴
甘く濃厚な香り
 
バニラにも似た甘く濃厚な風味が特徴です。
スイーツやドリンクの香味付けに用いられます。
 
健康効果
クローブは、強い鎮痛作用、殺菌作用に優れ、
現在でも歯医者さんでは、
痛み止めや、局所麻酔などに利用されることから、
「歯医者さんの香り」と呼ばれているそうです。 
 

クローブは調味料以外にも漢方薬にも使用されていて、

「日本薬局方」にも記載があり、
「芳香健胃剤」としても用いられています。
 
アロマテラピーなどにも幅広く利用されていて、
クローブに含まれる「オイゲノール」には抗酸化作用があり、
老化や動脈硬化を防ぐ他、
消化を促進して胃腸を整え、吐き気を抑えてくれます。
 
また、食中毒菌である黄色ブドウ球菌などの増殖を抑える効果も
報告されています。
 
更には、ゴキブリを始めとした
害虫が嫌がる成分が含まれていることから、
「防虫剤」としても効果があると言われています。
 
Data
Data
  • 学   名:Syzygium aromaticum
  • 別   名:丁子、丁香、百里香(ひゃくりこう)  
  • 科   名:フトモモ科
  • 原 産 地:モルッカ諸島(インドネシア)
  • 使 用 部 位:花(蕾)
 <主な成分> オイゲノール、β-カリオフィレン
 <主な作用> 抗菌、鎮痛、局所麻酔
 <注意事項>
 ・炎症がある場合、また高血圧の人は使用を控える
 ・2歳以下の小児、授乳中は禁忌。妊婦も要注意
 
 

美味しい利用方法

相性の良い食材・料理
 牛乳、鴨肉、豚肉の煮込みやソテーなど     
 コンポートなどフルーツを使ったスイーツと好相性
 
肉料理を香り高く仕上げるスパイスで、
西洋料理ではポトフやビーフシチュー、肉のロースト、
中華料理では豚の角煮などに、
インド料理では
肉を使ったカレーの風味づけに使われることが多いです。
フルーツとも相性が良く、コンポートや焼きりんごに使われます。
インドのマサラチャイや西洋のホットワイン、
ケーキの風味づけにも用いられます。
 
ホール
パウダー
折れやすい華奢なものより、
太くしっかりとしたものが良品。
肉料理にはホールのまま
使うのが一般的。
肉に十字の切り込みを入れ、
クローブを刺して煮込みます。
 カレー粉づくりや
 挽肉料理の臭み消しに
 役立った。
 ホールより香りが強いので、
 アクセントとして
 少量を使うのがコツです。
 
 

オレンジポマンダー

オレンジなどの果実にクローブを刺して作る「ポマンダー」は、
中世ヨーロッパで流行ったもので、
当時は悪臭の漂う空気に触れると
病気が伝染すると考えられていたために、
疫病予防や魔除けのために、
香りのよいポマンダーがお守りにされていたそうです。
現在でも、手作りのポマンダーは、幸福を呼ぶとして、
クリスマスのプレゼントやデコレーションとして親しまれています。
 
 

関連

f:id:linderabella:20200720190227j:plain
クローブ
f:id:linderabella:20200625102036j:plain
クローブティー
f:id:linderabella:20200625102002p:plain
カリオモン
(コーヒーセレモニー)
f:id:linderabella:20200903172325j:plain
クローブ精油