からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

シナモン

Cinnamon(スパイス事典)

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シナモンの歴史

世界最古のスパイスの一つとも言われる「シナモン」は、
古代エジプトでは、紀元前4000年頃から
ミイラの防腐剤として使われていた他、
旧約聖書の「エゼキエル書」や
古代ギリシャの詩人サッポーの作品にも登場しています。
 
元々、東洋でしか栽培されていなかった「シナモン」は、
シルクロードや「香料の道」などを経て
地中海沿岸まで運ばれていました。
そのため、大航海時代には、
ヨーロッパの探検家達がこぞって探し求めました。
 
日本でも遅くとも8世紀前半の聖武天皇の時代までに、
胡椒、クローブ、香木などとともに
China産のシナモンが渡来していたことが、
正倉院に生薬「桂心」(けいしん)として保存されていることからも
明らかです。
 

シナモンの種類

「シナモン」には様々な種類があります。
現在、シナモンの原料となるのは、
主にスリランカ産の「シナモン」と、
東南アジア産が多い「カシア」の2種類です。
 
「シナモン」は、樹皮のコルク層を取り除いて筒状にし、
その中に細かい皮を詰めて陰干ししたものです。
樹皮が薄く、柑橘系の爽やかで上品な香りが特徴です。
スリランカ産のものが最上級とされています。
 
一方「カシア」は、コルク層を残したまま樹皮を乾燥させるため、
樹皮は厚いのが甘く、濃厚な香りになります。
 
日本産の「肉桂」は、根をニッキなどの菓子の原料に用いました。

 

「シナモン」と「ローレル」の葉の違い


                 (シナモンの葉)

 
シナモンの葉は別名
「インディアンベイリーフ」と呼ばれることがあります。
また、「シナモン」と「ローレル」は
同じクスノキ科クスノキ属の植物ですが、
葉を比較すると葉脈の走り方が異なるのが分かります。
 


                 (ローレルの葉)

 

スパイスの特徴

香りと風味
香りの特徴
独特の優しい甘みと香り、
そしてかすかな苦味
 
効率よく香り付けするためには、
パウダーは料理の仕上げの直前に加え、
スティックは煮立てて使うといいです。
 
健康効果
カルシウム、鉄分、マンガンなどを多く含む他、
香り成分に含まれる「シンナムアルデヒド」には、
毛細血管を保護する働きがあるため、
毛細血管の減少や損傷から起こる
シミ、しわ、たるみなどの予防・改善に効果的と言われています。
 
特徴的な香りは
精油の「ケルヒアルデヒド」や「オイゲノール」という成分で、
抗菌、血流促進、鎮静作用などがあります。
乾燥したものを、漢方では「桂皮」と呼び、
芳香性の健胃剤として食欲不振や消化不良に用います。
 
データ
Data
  • 学  名:Cinnamomum zeylanicum
  • 和  名:ニッケイ(肉桂)、ニッキ
  • 別  名:カシア
  • 原 産 地 :スリランカ、南インド、China、ベトナム
  • 使用部位:樹皮  
 <主な効果>
  抗菌、発汗、消化不良、風邪の症状緩和、健胃 など
 
 
 

美味しい利用方法

 
シナモンは、甘みと一緒に使うと相乗効果が生まれるので、
アップルパイ、シナモンロール、クッキー、ジャムなど、
お菓子作りによく使われています。
かぼちゃやさつまいもの煮物などの味を引き立て、
また豚の角煮、鶏の煮込み、挽き肉料理の風味づけにも生かされます。
紅茶やコーヒーなどのドリンク類に入れて、その風味を楽しんだり、
グラニュー糖に予め混ぜ合わせたシナモンシュガーも人気。
カレー粉、ソース、トマトケチャップなどの原料としても
欠かせないスパイスでもあります。
 
スティック
皮が分厚い方が「カシア」、
薄い方が
「セイロンシナモン」。
コーヒーや紅茶に
添えられることが多く、
混ぜて香りを移す。
パウダー
色が濃いものは「カシア」、
薄いものは
「セイロンシナモン」。
飲み物やお菓子には、
上品な味わいの後者が向く。
 

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