からだに優しいもの

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リコリス(甘草)

Licorice(スパイス事典)

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「甘草」は、日本では
風邪薬や咳止めに処方されているの名で知られています。
「甘草」にはマメ科以外にユリ科(あるいはヒガンバナ科)があり、
毒性を持つものもあります。
 
日本には奈良時代に伝えられたようで、
正倉院の御物中にも保蔵されています。
明治維新とともに外国から砂糖が輸入されるようになるまで、
「甘草」は栄養剤として珍重されるとともに、
調理の際の甘味料としても重視されてきました。
 
江戸時代には、
幕府は農民に対して甘草を栽培するよう命を下していたほどで、
中でも江戸に近く、気候的にもそれほど強い風が吹かず、
しかも高原型で乾燥している甲斐の国(山梨)は、
甘草栽培の最適地だったようです。
この地で、江戸幕府に納める甘草栽培をしていた
「高野家の屋敷」は、重要文化財の指定を受け、
旧高野家住宅の名で現在も保存されているのですが、
甘草栽培をしていたことに因み、「甘草屋敷」とも呼ばれています。
 
英語名の「リコリス」は、
ギリシャ語の
「グリキス(Glykys=甘い)」と「リザ(rhiza=根)」の
合成語「グリキルリザ」に由来していて、
後に変化したものと言われています。
 
風味や香りの特徴
マスカットとクルミを合わせたような香りで、
後味の残る独特の甘み
 
 
リコリスの根茎の部分を乾燥させたものは、
砂糖の甘味成分であるショ糖の150~200倍と言われ、
天然甘味料としても使われます。
主に甘味料として
キャンディなどのお菓子やリキュールに用いられています。
一般にパウダー状にして使用します。
 
 
甘草(リコリス)
  • 学名:Glycyrrhiza glabra
  • 別名:セイホクカンゾウ、ヨーロッパカンゾウ
  • 科名:マメ科
  • 原産地:アジア、南東ヨーロッパ
  • 利用部位:根および走根、匍匐枝(ストロン)
  • 利用法 :薬用、飲料用、ヘルスケア用
 <注意事項>
  ・肝臓疾患、高血圧症、腎不全、糖尿病の人は
   適量を守る
  ・妊娠中、授乳中は避ける