からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

ガーリック(ニンニク)

Garlic(スパイス事典)

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世界中の様々な料理に欠かせない、スパイスです。
独特のニオイで、西洋料理、中華料理など
世界中の様々な料理に使われています。
疲労回復や滋養強壮効果があることで知られています。
 
 

歴史

玉ねぎと同様に非常に古くから栽培されていた植物です。
人間がガーリックを利用するようになったのは、
紀元前3000年頃の古代エジプト。
ピラミッド建設に関わった労働者達に、
重労働に耐えるために配給されていたと言われ、
紀元前1300年頃のエジプトの統治者ツタンカーメン王の墓から
乾燥したにんにく6個が見つかっています。
クレオパトラが「不老不死の霊薬」として食べていたという
話もあります。
 
古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは著書『エジプト史』の中で、
ピラミッド上に刻まれた碑文の内容を紹介しています。
そこには「ピラミッド建設に従事した労働者達は
大量のにんにく、玉ねぎ、ラディッシュを食し、
この3品を購入するために多額の銀貨が支払われていた」ことが
記されていたそうです。
 
現存する最古の医学書
『エベルス・パピルス(The Papyrus Evers)』では、
にんにくについて22種類もの処方が紹介され、
疲労や衰弱、神経系の病気への健康作用が記されています。
 
その後、ギリシア・ローマを経て地中海地方、
更にはヨーロッパ全土に広がり、
食用や薬用として幅広く利用されました。
 
料理以外にも、虫除けや胃腸の病気、子供の夜泣きなど、
様々な効用があると信じられてきました。
特に、吸血鬼ドラキュラが嫌うものとして知られ、
部屋に吊るしておくと悪霊が追い払うことが出来ると信じられ、
魔除けとして利用されていました。
 
日本には、4世紀頃に伝来したと考えられ、
『古事記』や『日本書紀』には、
「倭建命(ヤマトタケルノミコト)が東国を平定し帰途にあり、
 足柄山の坂本で食事をしている時に、
 坂の神が白鹿に化けて来たので、
 命は食べかけの蒜で白鹿を打つと、目に当たり、打ち殺した。」と
記載されています。
平安時代に書かれた医学書『医心方』にも紹介されています。
 
和名の「にんにく」は、
困難を耐え忍ぶという意味の
仏教用語「忍辱」(にんにく)が語源とされ、
江戸時代にニンニクを食べることを禁止された僧侶が
隠れて食べたためと言う説もあります。
 
 

スパイスの特徴

香り・風味の特徴
ガーリック(ニンニク)
砕くと強烈で独特な香りを発し
甘味、ほのかな苦味がある
 
 強いニオイが最大の特徴なのですが、
 調理前に温めると和らぎます。
 
健康効果
特有の香りは「アリシン」という成分によるもので、
そのままではさほど臭わないのですが、
刻んだり潰したりして組織を破壊すると強い臭いを発します。
 
抗菌・抗ウイルス作用が働く他、血圧を正常に保つ、
コレステロール値を下げるなど、様々な効果が見込まれます。
更に「アリシン」と「ビタミンB1」を一緒に摂取すると、
脳の活性化や疲労回復効果があると言われています。
 
全食品の中でも「ビタミンB6」を非常に多く含んでいます。
 
「ビタミンB6」
ビタミンB群の一つで、
水に溶けやすい水溶性のビタミンです。
たんぱく質の構成要素であるアミノ酸の代謝を助ける
重要な役割を果たしています。
ビタミンB6が欠乏した場合、
痙攣やむくみ、湿疹、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、
貧血、麻痺性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫力低下
などが起こる可能性があります。
 
データ
Data
  • 学   名:Allium sativum
  • 科 名:ユリ科ネギ属
  • 別 名
       ・にんにく [日本]
       ・アーリオ [イタリア]
       ・アイユ  [フランス]
  • 用 途:料理、お茶、健康、クラフト
  • 原産地:中央アジア、キルギス、パミール
  • 使用部位:鱗茎
 <主な成分>
   アリイン、アミノ酸
 <主な作用>
   強壮、疲労回復、殺菌、代謝促進、抗ウイルス、
   血行促進、食欲増進
 <注  意>
  ・胃酸過多や血液の汚れによる発熱症状がある場合は
   使用を控える。
  ・外科手術の術前には禁忌。
 
 
 

使い方・代表的な料理

美味しい利用方法
塩、ペッパーに次ぐ「第3の調味料」と呼ばれ、
肉、魚、野菜、卵と何にでも使え、旨味がアップします。
様々な形状のものがあるので、違いを生かしてドレッシング、
下味つけ、仕上げ、煮込み、炒め物、揚げ物にと
幅広く利用することが出来ます。
 
乾燥させることで辛味が強くなりますが、
水分で戻すと穏やかになります。
フレッシュに比べて独特の臭みが弱く、
油で炒めたり揚げたりしても旨味残ります。
 
パウダーは下味付けの他、
揚げ物の衣に混ぜたり、仕上げにサッと振ると、
それだけで一味違う美味しさを楽しむことが出来ます。
 
 
スライス
スライスして乾燥させたタイプ。イタリア料理でよく使われる。香りを控えめに仕上げたい時に便利。
粗挽き
炒め物、焼き物の他、
ペペロンチーノなどの
パスタ料理に幅広く使える。
パウダー
調味料などを加えて、
顆粒状に加工したもの。
混ぜたり溶かしたりして使いたい時に便利。
 
 

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