Lavender
その万能さから「ハーブの女王」とも形容されるラベンダー。
古くから沐浴剤に利用され、
ラテン語で”洗う”を意味する「Lavare」に由来します。
歴史
古代エジプトではミイラ作りなどに、
古代ギリシャの時代には心身の浄化に、
古代ローマ時代には、
傷口の洗浄や入浴時の芳香剤、美容のための香料として
用いられていました。
ドイツの博物・植物学の祖と言われる
修道女ヒルデガルドによって
ヨーロッパ全土に広まったと言われています。
２０世紀のフランスの科学者、
ルネ・モーリス・ガットフォセは、
火傷を負った際、
咄嗟にラベンダー精油を掛けて傷を回復させたことから、
「アロマテラピー」という言葉を生み出し、
本格的な研究が始まりました。
日本
日本で栽培が行われたのは昭和初期のこと。
香水や化粧水の原料として精油を生産するために、
フランスから５ｋｇ分の種子を輸入し、
湿度の低い北海道で栽培が始められました。
しかし昭和４０年代に入ると、
海外から安価な香料が次々の輸入され、
ラベンダー産業は衰退。
現在栽培されているもののほとんどが
「観賞用」だそうです。
甘く爽やかな芳香で、
主にアロマオイルやポプリの原料となることが多く、
特に香りの強い茎の部分は、
精神安定や安眠に高い効果が期待出来ます。
（アロマテラピーで最も利用されるハーブの１つです。）
香料の他にも、お茶、薬用、美容など、幅広く利用されています。
ラベンダーの品種
沢山の種類があります。
収穫する位置、時間で香りが変わるので、
同じ産地のものでも様々な香りが楽しめるハーブです。
大きく次の3つの系統に分けられます。
イングリッシュラベンダー
「ラティフォリア種（L.latifolia）」は
「スパイクラベンダー」とも呼ばれる品種で、
カンファーが強く香ることから、男性のラベンダーとも言われます。
精油としての流通もありますが、油絵の具の溶剤にも使われています。
「ラバンディン種（L.X intermedia）」は
真正ラベンダー（アングスティフォリア）とラティフォリアの交雑種で、
暑さに強く、収油量が多いのが特徴です。
日本のハーブ園にも「グロッソ」という品種がよく植えられています。
フレンチラベンダー
花穂の先に兎の耳のような苞葉がつく「ストエスカ種（L.stoechas）」は、
厚さに強く、丈夫で栽培しやすいのですが、香りはやや弱めです。
デンタータ種（L.dentata）は、葉の縁に切れ込みがあるのが特徴で、
「フリンジドラベンダー」とも呼ばれます。
香りは弱く、観賞用の品種です。
プテロストエカス系
「レースラベンダー」の別名もある
「ムルティフィダ種（L.multifida）」。
葉の縁に細かい切れ込みがあり、柔らかな印象があります。
花期が長く、観賞用として人気です。
効能
抗菌・抗真菌作用があり、
皮膚への刺激が少ないことから、化粧品などにもよく用いられます。
ハーブティーにはストレスを和らげて緊張を解す働きがあるため、
片頭痛や生理不順などにも効果があるとされています。
おススメの使用法
温湿布で目の疲れを癒す
アイピロー
チンキを入れて、入浴
作ったチンキを５０ｍｌ程度バスタブに入れ、
よく混ぜてからゆっくり浸かって下さい。
優しい香りが１日の緊張を解してくれます。
関連事項
 ラベンダー ティー |
 精油 |
 ラベンダー ウォーター |
