Basil
使い勝手が良く、丈夫で栽培しやすいので
人気が高いハーブの一つです。
バジルは王様のハーブ
原産地のインドでは、昔から神に捧げる聖なる植物とされ、
邪気から家庭を守るため、
家の前にバジルを植える習慣がありました。
インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、
気持ちを落ち着かせたり、炎症を抑えたりする作用があると
言われています。
アレキサンダー大王がインド遠征から持ち帰ったと言われ、
その後ヨーロッパに広まったのが「スイートバジル」です。
古代ギリシャでは王宮に相応しい香りと言われていました。
ギリシャ語の王を意味する
「バジリコン（basillicum）」が由来という説など様々ありますが、
バジルは「王の薬剤」「ハーブの王様」「王家のハーブ」
などと呼ばれています。
時代や国によって、愛のお守りとされたり、
逆に憎しみや不幸の象徴とされるなど、
様々な捉え方をされてきた歴史を持ちます。
ハーブの特徴
風味や香り
健康効果
日本には、江戸時代に種子が目薬用の漢方薬として輸入されました。
種子を水に浸すと膨張してゼリー状の物質で覆われ、
これで目を洗うことから「メボウキ」と呼ばれました。
バジルはハーブティーとしても人気があり、
消化促進作用の他、
自律神経やホルモンの乱れからくるイライラを改善する働きがあると
言われています。
近年では、免疫力を高める成分が多く含まれていることから、
美容やアンチエイジングの面でも注目されています。
美味しい利用法
イタリアでは「バジリコ」と呼ばれ、
ジェノバ付近で作られる「ジェノベーゼソース」が有名です。
トマトとの相性が良く、
モッツアレラチーズとバジルの葉をトッピングした
「ピザマルゲリータ」は定番になっています。
ペーストや、バターに練り込んだり、
オリーブオイルやビネガーに漬け込んだり、
「バジル塩」にして食卓に常備したりと、
様々な方法で楽しむことが出来ます。
イタリア料理や地中海料理だけでなく、
タイ料理やベトナム料理にも欠かせない存在です。
関連事項
 ハーブペースト |
ハーブソルト |
種子
バジルの種子である「バジルシード」は、
一見すると黒ゴマに似ています。
バジルの種子には「グルコマンナン」を多く含むため、
水分を含むと乾燥した状態から約30倍にも膨張し、
ゼリー状の物質で覆われます。
食物繊維を豊富に含むことから、
ダイエット補助食品としても利用されています。
東南アジアでは、
ココナッツミルクと合わせたデザートなどに使われています。
バジル図鑑
「スイートバジル」の他、
レモンバジル、ホーリーバジル、タイバジル、ライムバジル、
マンモスバジル、ダークオーパールバジル、ブッシュバジルなど
150種類の栽培品種があります。
姿型や香りのバラエティが豊富です。
🌱 スイートバジル
🌱 グリークバジル
四角い茎に小さくて細かい葉をつけます。
他のバジルに比べて比較的寒さに強く、密生します。
🌱 シナモンバジル
香りを楽しむハーブガーデンにとても重宝します。
シナモンに似た良い香りを楽しめます。
🌱 ダークオパールバジル
スイートバジルよりマイルドで甘い香りが特徴。
茎葉と花をビネガーに漬け込んだり、
料理に添えたりします。
ビネガーに漬け込むと赤く染まってキレイです。
🌱 タイバジル
スイートバジルに比べて香りが強く、
葉はアニスやクローブのような香りがします。
茎は紫色で、紫色の花を咲かせます。
特にエスニック料理やタイ料理に向いています。
🌱 パープルオスミンバジル
クローブの甘い香りが特徴的。
暗紫紅色の葉は
ビネガーやオイルの材料として使えます。
また真夏のガーデニングにも向く、
元気のいい品種です。
🌱 ブッシュバジル
よく分岐し密生して球状にまとまるバジルです。
スイートバジルより耐寒性があります。
草丈は２０～３０㎝程で、全体にコンパクト。
鉢植えのふとぢ里にも最適で、
料理の飾りとしても幅広く使えます。
🌱 ホーリーバジル
インドでは聖なる植物とされ、人気のバジルです。
全体に軟毛が密生し、あまり大きくなりません。
盛んに枝分かれして草むら状に繁ります。
香りはスイートバジルより穏やかで、
生葉をサラダにするのがおススメです。
＜関連事項＞
🌱 レッドルビンバジル
全体の暗紫色が
ダークオパールより安定しているため、
花壇の彩りに適します。
ワインビネガーに漬け込んで、
赤く染めるのもおススメです。
🌱 レモンバジル
生育がとても旺盛で短期間で収穫出来ます。
レモンの爽やかな香りがするので、
ソース、魚料理、鶏料理に加えると香りが良く、
味もとても引き立ちます。
