Worm wood(ハーブ事典)
「ワームウッド」の名前は、
『旧約聖書』に登場する理想郷・エデンの園を追放された
ヘビ(ワーム)が這った跡に生えて来たという伝説に
由来しています。
ハーブとして扱われる草の中でも
非常に強い苦みを持っており、
「ワームウッド=苦い」という意味の比喩としても用いられ、
シェークスピアの『ハムレット』にも登場します 。
属名の「アルテミシア」はギリシア神話の「アルテミス」、
もしくはカリア王妃の「アルテミシア」に由来するとされます。
種小名の「アブシンツイム」は「ニガヨモギ」という意味です。
中世ヨーロッパでは、
ノミや蚊、ダニ除けのために、
乾燥させた葉を床に撒いたり、別途に敷いていました。
日本でも、江戸時代に着物の間に入れて
防虫として用いられた他、
現在は無農薬農法のために使われることも多いそうです。
優れた防虫効果を活かして、乾燥させた葉を布袋に入れるだけで、
衣類ケースやクローゼットに置くだけで手軽な防虫剤になります。
また、ドライフラワーやリースにして室内に飾れば、
インテリアとして楽しむことが出来ます。
また、茎葉と花に独特の甘い香りと強い苦味を持つことから、
清涼飲料水やアルコールの香りづけに多用されています。
特に「緑の魔酒」と呼ばれるリキュールの「アブサン」や
白ワインにハーブとスパイスを漬け込んで作られる
「ベルモット」などが知られています。