日本のハーブ
「ユリネ」は
ヤマユリ、オニユリ、コオニユリなどの球根(鱗茎)です。
美しい花を咲かせる「百合」(ユリ)は
世界中で愛され種類も豊富ですが、
その球根を食用としているのは日本とChinaぐらいと言われています。
但し、「観賞用」として売られている百合科の植物には毒性があるので、
くれぐれも間違って口にしないよう注意が必要です。
歴史
日本で「ユリネ」が食用とされるようになったのは、江戸時代。
北海道では、大正時代に
多度志村(たどしむら)の和田伊三郎(わだいさぶろう)という人物が
小鬼ゆりから選んで栽培に取り組んだのが始まりとされています。
かつては野生のものが流通していましたが、現在はほとんどが栽培品です。
国内では北海道が主産地で98%を占めています。
縁起物
「ゆり根」は鱗茎が花びらのように重なり合っていることから
「歳を重ねる」あるいは「和合(仲が良いこと)」に通じるとされ、
吉祥の象徴とされています。
また、重なり合った麟弁を子宝に見立て
「子孫繁栄」の縁起を担ぐとも言われています。
更に、薬効に優れていることから、「無病息災」を祈って食されます。
お正月などの料理やお祝い事の料理で使われるのには、
こういった理由からです。
効果効能
ユリネは、咳止めや解熱、鎮静、不眠、滋養強壮の漢方薬として
利用されてきました。
血圧を下げる効果のあるカリウムが豊富です。
カリウムに次いで、
マグネシウムやリン、鉄など、ミネラル類が豊富に含まれています。
「グルコマンナン」という水溶性食物繊維が
コレステロールや糖分の吸収を抑えるため、
動脈硬化や糖尿病予防に役立つと考えられています。
整腸作用を発揮する不溶性食物繊維も多く含んでいます。
このようにミネラルは豊富なのですが、
糖質も多く含むカロリーが高いのが特徴です。
- 学 名:[ヤマユリ]Lilium auratum
[オニユリ]Lilium lancifolium - 科 名:ユリ科
- 使 用 部 分:隣茎
- 香り・風味:もっちりとした食感とほんのり甘く
ほろ苦い - 主 な 成 分:デンプン、たんぱく質、カリウム、
マグネシウム、リン、鉄 - 主 な 作 用:鎮咳、鎮静、滋養強壮
- 副 作 用:知られていないが、
稀に食欲不振や下痢、吐き気の症状が
出る可能性があると言われている