日本のハーブ
柑橘類の原産地は
インド、インドネシア、China大陸、日本など
東アジアの広い範囲ですが、
日本古来の原生種は、
「橘」と沖縄の「シークァーサー」であるとされています。
「温州」という名前がついていますが、
China大陸産ではなく、
今から500年程前に
鹿児島県の北西にある長島で蜜型物が原産です。
この長島のミカンは、
China大陸から運ばれた種子から偶然発芽したものと
考えられています。
果実が大きく果皮が剥き易い上、
甘くて種子がほとんどないのが特徴です。
古くから食用に供されてきた他、
丸い形と黄金色から太陽の象徴とされて、
神棚などのお供えには欠かせません。
地域によっては、
家を建てる時の上棟式にミカンを投げる風習があります。
「β-クリプトキサンチン」が非常に多く含まれ、
この成分には強い発がん抑制効果があるという研究報告があり、
近年注目されています。
主に食用として利用されていますが、皮も様々活用されており、
乾燥させた生薬の「陳皮」は、
七味唐辛子の材料として使われています。
<陳皮>
生薬として利用される陳皮。
良好な状態で保存され、黒褐色になった古いもの
(採取後2~3年以上)の方が、良品と言われています。
リモネンやヘスペリジンを含み、健胃や鎮咳に使われます。
陳皮を作る際は、
ミカンの皮を丁寧に洗って残留物を落としてから。
剝いたままの形でもよいですし、刻んでから干しても構いません。
カラカラになったら乾燥剤と共に密閉容器で保存しましょう。
皮から採れる精油は
アロマテラピーや香水、洗剤に活用されています。
更に精油に含まれる「リモネン」と言う成分には、
合成樹脂を溶かす性質があり、
プラスチックモデル用の接着剤など、用途が広がっています。
- 学 名:Citrus unshiu
- 科 名:ミカン科
- 原 産 地:日本
- 利 用 部 位:果皮、果実
- 香り・風味:ほどよい甘味と酸味がある
- 用 途:料理、お茶、美容健康 など
- 生 薬 名:陳皮(ちんぴ)
- 主 な 成 分:d-リモネン、ヘスペリジン、、
ナリンギン、ノビレチン、シネフリン - 主 な 作 用:芳香性健胃、駆風、去痰、鎮咳、
食欲促進、制吐、瀉下、鎮痛、
骨粗鬆症予防、リラックス効果など - 注 意:特に知られていない
<関連事項>