からだに優しいもの

とにかく、優しいものです。

ナズナ(薺)

日本のハーブ

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「ナズナ」はアブラナ科ナズナ属の植物で、
漢字で「薺」と書きます。
ナズナの語源は「撫菜」(なでな)より転訛したと言われ、
撫でたいほど可愛い菜の意味があります。
 
「ペンペングサ」の別名でも親しまれ、
摘んででんでん太鼓のようにして遊んだことのある方も
多いのではないでしょうか?
また果実が三味線の撥(ばち)に似ていることから
「バチグサ(撥草)」「シャミセングサ(三味線草)」
といった別名もあります。
 
属名の「Capsella」(カプセラ)は、ラテン語で「小箱」の意味があり、
果実の形から名付けられました。
また種小名の”bursa-pastoris”は「羊飼いの財布」を意味し、
英名の”shepherd's purse”に由来しているようです。
 
平安時代から、邪気を払い、万病を遠ざける薬草として、
正月七日に食べる「七草粥」(ななくさがゆ)にも加えられるナズナ。
全草を乾燥させたものは、
煎じたり焼いたりして生薬として民間療法に利用されてきました。
食べると、熱や下痢、腹痛を解消する他、
生理不順や便秘など女性を悩ませるトラブルを改善する効果があるそうです。
 
ナズナは家紋「薺紋」として、
奥州伊達氏を始め、北陸の武家などで用いられていました。
これは災厄除去として禁厭(きんえん)の目的で選ばれたようです。
荒地で芽生え、冬でも寒風を凌ぎ、葉を広げる生命力の強さが
好まれたとも言われています。
 
民間療法では、主に煎じ薬として、
利尿、解熱、子宮や腸の出血、高血圧症、便秘、目の充血、
尿、解熱、止血、緩下、動脈硬化予防、月経困難の際に用いられました。
 
ナズナは、冬の寒さに当たると甘みがまして美味しくなります。
七草粥では、「葉」の部分を主に食べますが、
「根」の部分を生で食べてみると、
ごぼうを更に甘くしたような味を楽しむことが出来ます。
 
  • 学  名:Capsella bursa-pastoris
  • 別  名:ペンペングサ、シャミセングサ、
         ビンボウグサ
  • 科  名:アブラナ科
  • 使用部位:地上部
  • 原 産 地 :日本在来
  • 主な成分:コリン、アセチルコリン、フマル酸、
         プルミン酸、アミノアルコール、
         サポニン、フラボノイド、シトステロール、
         ヒスタミン、チラミン
  • 主な作用:抗菌、殺菌、利尿、消炎、収斂、止血、
         血圧降下、血流促進、解熱、子宮収縮
 

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