日本のハーブ
「ゲンノショウコ」は「ドクダミ」「センブリ」と共に
「日本三大民間薬」として、古くから日本で用いられてきた薬草です。
別名を「医者いらず」とか「たちまち草」と言い、
煎じて飲めばすぐに下痢が止まることから、
「現の証拠」とか「験の証拠」という和名が付けられています。
日本全国どこででも見かける野草で、
夏から秋にかけて、ウメの花に似た小さな花が次々と咲き続けます。
日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として収載されています。
「ゲンノショウコ」そのものには馴染がなくても、
大衆薬としてよく知られる
「百草丸」や「正露丸」などに含まれているので、
これらの整腸薬などでお世話になっていそうです。
下痢、腹痛などに止瀉剤として働く一方で、
便秘の時には緩下剤となる独特の作用が知られています。
下痢止めに用いる場合には煎液の温かいもの、
便秘に用いる場合には冷ましたものを服用するといった話もあります。
よく「土用の丑の日(7月)に採取すべきである」と言われ、
この頃の白色や赤色の花の咲く時期には、
有効成分の「タンニン」が一番多いとされます。
「タンニン」を多く含むことから、
抗炎症作用、抗菌作用があり、切り傷の消毒などにも使われています。
- 学 名:Geranium thunbergii
- 別 名:御輿草(みこしぐさ)、猫の足草、
医者いらず - 生薬名:現の証拠
- 科 名:フウロソウ科
- 原産地:日本、台湾、朝鮮半島
- 使用部分:地上部
<主な成分>
タンニン、ゲラニイン、クエルセチン、
ケンフェリトリン、コハク酸、没食子酸
<主な作用>
整腸、消炎、鎮痛、冷え性、湿疹改善
<注意事項> 特に知られていない