日本のハーブ
日本では古くから染料用途で馴染み深く、
最近では種子から搾った
食用の「紅花油」などにも使われています。
紅花(サフラワー)
キク科紅花属の一年草です。
花の咲き始めは鮮やかな黄色で、
だんだんと朱色が強くなり、
濃い朱色になります。
原産はアラビア、エジプト付近で
世界各地に広がって栽培されました。
日本にはシルクロードを経由して
6世紀頃に伝えられたと言われています。
6世紀後半に作られた
奈良県斑鳩の「藤ノ木古墳」からは
紅花の花粉が出土しており、
鮮やかな染色が出来る紅花は
黄金の様に珍重され、
貴人の埋葬に用いられたと考えられます。
紅花の名前は文字通り
「紅を取る花」として名付けられましたが、
古く『万葉集』や『古今和歌集』には
「末摘花」の名前で登場します。
江戸時代には広く栽培され、
染料などとして使われました。
ハーブの特徴
赤い染料
「紅」の抽出法は、
まず花を水に浸けて揉み出して
水溶性のサフロールイエローの色素を抽出し、
次にアルカリ性の
草木の灰汁を溶いた液に浸けて
赤い色素の「カーサミン」を溶かし出し、
更に酢を加えて酸性にして
赤の色素を沈殿させていました。
これらを衣類の染料にしたり、
化粧品の食品の色付けにも利用しました。
風味や香り
健康効果
生薬としては、血行の促進や血圧降下、
ストレス性潰瘍の抑制に用います。
また、女性の不調の改善に役立ちます。
但し、妊娠中の使用は厳禁です。
薬用種などに含まれる他、
お灸の一種「紅灸」(べにきゅう)にも
利用されています。
種子を圧搾して採れる「紅花油」は
塗料や石鹸の他、
更に燃やした煤で「紅花墨」の原料としても
利用されます。
関連事項
紅花茶 |