日本のハーブ
「榧」(かや)は、イチイ科の常緑針葉高木で、
日本国内では、岩手県、山形県以南の本州、四国、九州の
山野に分布しています。
成長スピードは極めて遅く、
木肌はきめが細かく、緻密で美しい木目をしています。
油分が豊富でやや重厚、適度な堅さと弾力性があり、
特有の芳香があります。
また、耐久性・耐水性にも優れていることから、
建築材や高級品の碁盤、将棋盤、船舶、風呂桶など
幅広く使われていました。
現在は榧材が枯渇していることから、
碁盤・将棋盤は勿論、まな板も最高級品として珍重されています。
榧の実から採れる良質な油は、
過去には食用・頭髪油・灯火用として用いられていました。
殊に、食用油は高級天ぷら油として使われてきた歴史があり、
大正時代の植物事典『大植物図鑑』には
「本邦植物油中最上なるもの」と記載されています。
漢方では、カヤの実を便秘や食欲不振、虫下しとして
利用されてきたと言います。
- 学 名:Torreya nucifera
- 科 名:イチイ科
- 原 産 国:日本(高知県)