Holy Basil(精油事典)
不老不死の霊薬
「ホーリーバジル」は、南アジアを原産とするシソ科の植物です。
インドの「アユルベーダ」において、
最も重要なハーブの一つとされていて、
「母なる薬草」と称され古代より生活に役立てられてきた
歴史のある植物です。
ホーリーバジル
「ホーリーバジル」は、
日本でもお馴染みの「スイートバジル」の近縁種に当たります。
「スイートバジル」は主にイタリア料理や欧米料理で使われ、
「ホーリーバジル」は主にインド料理やタイ料理、
インドネシア料理などのエスニック料理に使われています。
タイでは「ホーリーバジル」は「ガパオ」と呼ばれていて、
それを使った「ガパオライス」は、
日本でもよく知られる、
エスニック料理の定番中の定番のメニューですね。
「ホーリーバジル」は、
インド伝承医学であるアーユルヴェーダの中でも、
多くの薬効を有したハーブとして、
5000年もの永きに渡ってインド国民に愛され、珍重されてきました。
ヒンディー語では「Tulsi (トゥルシー、トゥルシ)」、
サンスクリット語で「Tulasi(トゥラシー、トゥラシ)」と呼ばれ、
「比類無きもの」という意味を持ちます。
インドでは、「家にホーリーバジルがあれば病気や不幸は
その家に入ることが出来ない」という言い伝えがあることから、
インドの多くの家庭では、庭先にホーリーバジルの鉢植えを飾り、
毎朝の日課として聖水を注ぎ、
家庭の繁栄と心の平和と幸福が与えられるように祈ります。
そして、毎日、その生葉を数枚食べることによって、
健康を維持しているのです。
ホーリーバジルが「医者いらずの薬草」、
あるいは「生活の霊薬」と呼ばれるゆえんです。
因みに、「トゥルシー」は
インドでは古来より神聖な植物として扱われてきたため、
インドを訪れたキリスト教圏の人々が、
「トゥルシー」にキリスト教において聖名に当たる
「Holy Name(ホーリーネーム)」を与えて、
「Holy Basil(ホーリー・バジル)」と命名したと言われています。
香りの特徴
スイートバジルよりも香りが強く、
スパイシーな刺激の中にミントのような清涼感が広がります。
クローブのような香りがするとも言われています。
精油の働き
「ホーリーバジル」の主成分は、
精油成分全体の半分以上を占める「オイゲノール」です。
「オイゲノール」には、
心身をリラックスさせバランスを整えたり、
ストレスへの抵抗力を高める働きが期待されています。
このため消化不良や冷えに起因する腹痛などの胃腸の不調、
神経性の胃痛などストレス性のトラブルの緩和に
役立ってくれる可能性があります。
抗炎症作用や鎮痛作用が期待出来るため、
関節炎やリウマチなどの
局所的マッサージに取り入れると良いと言われていますが、
皮膚感作性がある精油でもあるため、使用には注意が必要です。
体を温めてくれる働きもあるので、
特に冷えによって悪化している
関節炎・リウマチ・月経痛などの痛みの緩和に
効果が期待出来るでしょう。
発汗促進作用や利尿作用を持つことから、
むくみや冷え性の軽減・デトックス・肥満予防に良いとも
言われているようです。
また「オイゲノール」は、
高い抗菌・抗ウイルス作用を持つことから、
風邪やインフルエンザを始めとする
感染症予防にも役立つと考えられています。
抗菌作用だけに加えて
抗カビ特性というカビの繁殖を抑える働きもあり、
優れた昆虫忌避作用を持つ成分でもあります。
精油のデータ
おすすめ
・芳香浴
・アロマバス
・マッサージ
・防虫